※この記事は長くなるため、前編と後編でお送りします。本記事は後編です。
前編をご覧いただいていない方はまずはこちらからご覧ください。
今回は後編ということで、早速内容にはいっていきましょう。
実績を出すまで辞めるなマウンティング
この会社に入ったからには一人で売り上げ1億円達成するまでは辞めてはいかんな。
そんな中途半端な状態で辞めたとしても実力もついてないし市場価値も高くないから、どうせ辞めたところで良い結果になんてならないからな。
『3年は会社を続けるべき』というのは期間による拘束でよくききますが、逆に3年経っても実績が出ていなければ辞める理由にもなります。
ここで、実績を理由にすると、『3年頑張っても実績が出ていなければ辞められない』というマウントを取ることができます。
そして、もしこの上司の言うように年間1億円の売り上げを達成できたとしたなら、『これだけの成果を出す状態になって、今更辞めるのは皆に迷惑だ』と辞められない状態に持ち込むこともできるのです。
このように、期間ではなく実績で拘束することによって、『どっちにしろ辞められない』と言う状態を生み出すことができます。
正しい退職法マウンティング
この会社には正しい辞め方がある。
これをせずに辞める奴はろくな奴じゃない。
まず、全顧客の情報をリスト化し整理する。
次に、各顧客の引き継ぎに関する業務マニュアルを詳細に、新人が見てもわかるレベルで作成する。
そして、辞めた後に会社にとってマイナスにならないように、目標予算の2倍の実績を上げる。
更に、新規の顧客も獲得して会社に財産を残してから辞めるんだ。良いな。
いや無理だし・・・・
これも常日頃から言い続けることが重要です。
辞める直前に言ってもあまり意味がないので常日頃から伝えるようにします。
退職しようと思っても、この思考が頭の中にこびれついてちらつけば、辞めることを躊躇します。
だいたい、退職する理由は、体力的な問題か精神的な問題で【限界が来た】あるいは、どうしてもやりたいことが他の環境で【見つかった】時です。
どちらの状態にしても、上記のように完璧な状態を作っている時間はありません。
限界が来ているのであれば辞めないと悪化する一方だし、やりたいことがあるのであればすぐにでも行動をしないとタイミングを逃すかもしれません。
しかし、あえて時間と労力をのかかることを退職の前提条件としておき、それを常に言い続けることで非常に辞めにくい雰囲気を作ることができます。
あなたは評価されてるよマウンティング
【半年〜1年に1回の面談時】
(評価項目と点数を見せながら)
正直周りの人に比べて君は評価されているよ。
いつも辛い役回りをしてくれていることは、みんなしっかり見ているよ。
特定の評価や面談のタイミングで、『あなたはしっかり評価されているよ』ということを伝えます。
そうすることで、普段休みなく働いている人のモチベーションをなんとかキープすることができます。
しかも、この評価にコストはかからないので、無料で社員のモチベーションを下がりきらないレベルでキープできるコスパの高いマウンティングです。
全奢りマウンティング
会計は、全部俺が払う!
男気があっていいですね。
最近お金に対する価値観が変化し、重要度が相対的に下がっている感じがしますが、いまだにお金の効果は絶大です。
飲みに行ったり少しカフェに行ったり、全ての会計を自分で払うことにより、相手の意識の中に『いつもおごってもらっている』という感覚を刷り込ませていきます。
そこには返報性の原理が働くので、簡単には逆らえない状態になります。
注意点としては、本当にお金を持っていないと自分の生活を圧迫してしまうことです。
体育会のノリだとよくありますよね。
先輩は奢るのが当たり前な反面、後輩は先輩に従うのが当たり前、という文化です。
僕も基本的には全部払うようにしていましたが、今振り返ってみると結構マウントを取れていたかもしれません。
ローカルルール(条例)マウンティング
うちの部では独自のルールがある。
第一条:遅刻したら罰金1万円
第二条:文句を言ったら即刻・・・
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日本に住んでいる場合は法律によってマウンティングされています。
会社に所属している場合は、社内規定にマウンティングされています。
しかし、それだけではちょっと弱いので、個人的にマウンティングする方法を考えます。
そこで使えるのがローカルルールです。
会社では基本的に、役職があり階級制度が取られています。
自分が役職者になれば当然数人の部下を抱えることになりますが、その際に、その部署オリジナルのルールを作るのです。
決めるのは国でも会社でもなく自分なので、絶対的なマウントを取ることができます。
注意点としては、方針ではなく、破ることは許されないルールにすることです。
明確で共感されるような方針を掲げると、部下は各個人の能力を発揮しながらイキイキと活躍することになるので、マウントを取ることが難しくなります。
マウントを取る目的じゃなくても多様されている
今回の内容は、マウントを取る目的以外でも多くのシーンで実践されています。
【隠れマウント】というだけあって、実行している本人もマウントを取っていることに気がついていないケースもあります。
相手のためを思って行動をしているつもりが、いつの間にかマウントを取ってしまっている。ということがよくあります。
今回は【マウントを取る方法】と題して記事を書いていきましたが、本来、この記事を通してお伝えしたいことは2つです。
この2つです。
【隠れマウント】を取ってしまう人への啓蒙
過去の僕も自分の価値観を積極的にメンバーに伝えていくうちに、いつの間にか価値観の押し付けになり、マウントを取ってしまうことがありました。
それは、相手にとって辛い想いをさせてしまうだけでなく、相手の本来の能力を押し殺すことにも繋がります。
大切なのは、相手に【選択の余地】を残してあげることです。
例えば、僕は実績を出すまで会社は辞めない方がいいと思っています。
何故なら、僕の基本的な価値観として『会社に入る以上はその会社で得られるスキルを身につけた方がいい。そして、そのスキルの本質は【できるようになって】初めて得られるもの』という考えがあるからです。
僕は、世の中にいる天才とは違い能力的には劣等的な部類に属するタイプなので、うまくいくまで理解できないんです。
だからこそ、上記のような価値観があるわけですが、あくまでも僕の個人的な価値観にすぎません。
本当に向いてない人や、精神的に辛すぎて消耗し続けるくらいであれば、すぐに辞めて別の仕事をした方がいいかもしれません。
若手に奢るのも、もしかしたら『気軽にご飯にいける関係になりたいのに、いつも奢られると気を使ってしまう』と思われるかもしれません。
大事なのは、相手に選択の余地を与えることです。
決めつけないこと、そして、押し付けにならないようにバランスを取ることです。
【隠れマウント】を取られる人への注意
過去の僕は上司としてマウントを取ってしまっているケースもありましたが、部下としての側面で気づかないうちにマウントを取られてしまっていることもありました。
その時の感覚は『絶対にこうするべきだ!』という、支配を受けている感覚でした。
自分には選択権がないように感じていました。
大切なのは、【選択権は自分にある】という認識を持つことです
しっかりと自分の軸を持っていない場合、上司や周りの人の言うことが絶対であり、自分には選択権がないように錯覚してしまいます。
錯覚という表現をしましたが、まさにその通りで、単なる思いこみです。
あくまでも、仕事や会社を選ぶ権利は自分にあります。
これは、日本の最高法規である憲法で保証されていることです。
にも関わらず、何故上記のような思い込みをしてしまうのか。
原因の一つとして上司や周りからの過度なプレッシャーと言うものがあるかもしれません。
しかし、最も大きな理由は自分の考えを持たずに思考停止しながら、周りの意見を全部受け入れているからです。
そこに気がついていないうちは、本当に自分が悲劇の主人公のように辛い想いをしていきます。
だから、この記事は当時の僕に対して、上司の側面・部下の側面の双方から提言するために書いているのです。
思いこみによる無駄な消耗は案外多い
今回、マウントについて2記事に渡って書いてきましたが、世の中に自分以外に自分はいないので、当然、自分以外は全員他人です。
なので、『こうした方が絶対にいい!』と言う考えは人それぞれですし、その受け取り方も人それぞれです。
『絶対!』と言うのは思い込みです。
そういった、発信者側と受け手のそれぞれの思い込みによって、コミュニケーションに障害が生まれたり、精神的にも肉体的にも無駄な消耗戦を繰り返してしまうこともよくあります。
時代が変わっていく中で上意下達の文化ではなく、双方の意見を尊重しあいながら取り入れていく文化に変化させることが必要になってきました。
組織論やコミュニケーション論においては、明確な答えのない難しくて繊細なテーマですが、僕の実体験を通じてこれからも情報を収集して発信していきたいと思います。
ではまた。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございます。
このブログのコンセプトは『働くって、本当は楽しい』を配信することです。
主に過去なかなか実績を出せずに悩んでいた自分に対して、当時知っておきたかった考え方や手法を伝えるものです。
仕事は本質的には楽しいことだと思うのですが、少し歯車が合わなくなるだけでとても辛いものへと変化します。
少しでも、働く楽しさを感じていただくためにも更新していきますので、これからもワキログをよろしくお願いします!
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