マウントポジション:格闘技などで、相手を床に仰向けに組み伏せ、その上にまたがった状態。
ピクジブ百科事典
上になった者が圧倒的に有利で、相手をほぼ一方的にパンチでボコボコに出来る。
最近、この【マウント】という言葉はビジネスシーンでも使われるようになり、主に【相手に反論をさせない】【自分が優位に立つ】と言った意味合いで使われることが多いです。
上司としてマウントをとると、優越感に浸れるし、部下を服従させることができていい思いができますよね。
そして、このマウントは案外簡単に取ることができます。
と言うことで今回は、【上司が部下のマウントを取る方法】について考えていきたいと思います。
相手が話してる途中で一気にツッコミを入れる
◯◯社にはすでに提案をしてて、先方と・・・
いつどこで誰がやる予定になってて詳細のスケジュールはどうなってるん?
ここでポイントとなるのが
- まだ話している途中なのにツッコミを入れるということ
- 一つのツッコミではなく、いくつかのツッコミを一気に入れること
こうすることで、相手の頭の中をかき乱し、一瞬『答えられない状態』を作ることが出来ます。
この、答えられない状態が生まれると、相手の立場が弱まりこちらがマウントを取りやすくなります。
どうしようもない過去のことを責める
先週先方に行った時に提案をして承諾はいただきました。契約書は後日お送りいただく予定に・・・
何でその時に契約書にサインさせなかったん?何で?どうして?
ここで重要なのは、【今更言ってもどうしようもない過去の話】をすることです。
例えば、『じゃあいつ契約書を送ってもらえるかの確認をしておいてね』と、対処可能な未来の話をしてもマウントは取れません。
対処出来ない過去のことを責めるからこそマウントを取ることができるのです。
この時、マウント部下に残されている回答は【言い訳】か【謝罪】しかありません。
このように、相手の選択肢を狭める手法は、マウントを取るのに効果的です。
食い気味でめっちゃ頷く
現在、営業部としての今期の目標対比ですが・・・
うん、うん
20%マイナスとなって・・・
うん、うん、うん
原因としては
うん、うん、うん、うん、うん、うん、うん、うん
このように、食い気味で相槌を入れていくことによって、簡単に相手にプレッシャーを与えることが出来ます。
プレッシャーを感じると、相手はどんどん弱気になっていくので相対的にこちらが気持ち的に優位に立つことが出来ます。
こうすることによって、簡単にマウントを取ることが出来ます。
自分が話し始める前に小さく舌打ちをする
現在目標に未達の状態なので、今後の対策としては、営業部全員で過去の名簿に一斉に電話をかけ、また新規の名簿を取得して担当を分担していきます。
ッチ・・。
わかった。具体的な担当の割り振りとスケジュールと名簿件数はどうなってるん?
このように、最初に舌打ちをすることによって、相手に『何かまずいことがあったかな・・』と思わせ、不安にさせることが出来ます。
不安にさせることができれば、相手は勝手に頭の中でぐるぐると『あんなことかな・・。いや、それとも・・』と考え事を始めます。
考え事をしていると、上司の話を聞く余裕がなくなり、会話の途中なのに返事をしなかったり声を小さくすることができるので、こちらがマウントを取ることが出来ます。
『聞こえない。もう一回』って言う
現在、過去客のリストとしては100件あり、5人で電話をかけるので1人1日10件電話をし、2日で終わらせます・・・。
聞こえない。もう一回。
上記のように、相手を弱気にさせたり不安にさせることで、相手の声を小さくすることが出来ます。
そして、その小さくなった声をさらに逆手にとって、『聞こえない。』と言うのです。
もう、部下の焦り度はどんどん高まり、さらに追い詰めてマウントを取ることが出来ます。
出来ていない事実を突きつけるだけでアドバイスをしない
現在、過去客のリストとしては100件あり、5人で電話をかけるので1人1日10件電話をし、2日で終わらせます・・・。
そもそも、そうならないように年初の計画を立てたんじゃないか?俺、計画通りやれって言ったよな?
はい・・。申し訳ございません。これから挽回できるように先ほどのリストに当たっていき・・
そんなんでいけるわけないだろ!過去の実績を見てもリストから契約になるのなんてせいぜい2%だ。だから100件電話をしたとしても2件の契約にしかならないだろ。今必要なのは10件だぞ!
こんなんじゃ足りねえよ。足りるわけないだろ。
はい・・。
はい、じゃねえよ。
足りねえって言ってんだよ。
・・・・・・・・
聞こえてんのか?
足りねえって言ってんだよ。
このように、『マイナスしている状態』を突きつけて、その上アドバイスをしなければ、相手は黙るしかありません。
しかも、これだけ詰めていけば相手は思考停止し、さらなる改善策を出せなくなります。
そうすると、『出来ていない上に、なんのアイデアもない』と言う部下を作ることができるので、マウントを取ることが出来ます。
出来るだけみんなの前で問いただす
上記のような問答を繰り返すだけで簡単にマウントを取ることができるのですが、それをさらに数人参加する会議の場で行うのです。
そうすると、周りの人に見られていると言う気持ちがさらに焦りや不安に繋がるのです。
これを、公開処刑といいます
公開処刑は、2人きりの環境よりも圧倒的に相手を追い詰めることが出来ます。
しかも、周りの人には『お前らもこうしてやるからな』と言うメッセージを送ることが出来ますので、一度で大勢のマウントを取ることができます。
『お前のせいで会議が終わらない』って言う
さらにさらに、会議の場で一人だけを問い詰める状況を作れば
お前のせいで会議が終わらねえな。
ああ、皆の時間もらってるのによ〜。
と、さらなる罪悪感に突き落とすことができます。
実際、自分の説教のせいで会議が長引いているのにも関わらず、その責任を部下に移すことができるのです。
『俺はこれだけやってる』アピールする
・・・・・・・・
そもそも、俺はこの1週間で5件とってきてるんだ。なのにお前・・何人でやってるんだよ。
今まで俺の実績だけでお前らのこと食わせてるんだぞ。
こうやって自分の実績をアピールすることで、部下に反対意見の余地を与えません。
マウントポジションで重要なのは【相手に反撃の余地を与えない】ということです。
相手が反撃できない体制になると、こちらはタコ殴りにできるので、より効果的なマウントを取ることができるのです。
まとめ:マウントを取るのは簡単です
上記の方法を実践すれば、誰でも簡単にマウントを取ることができます。
冒頭にも書きましたが、マウントを取ることによって、部下を自分に服従させることができるし、自分の権力に酔いしれることができるし、自分の浅くて愚かな承認欲求を満たすことができます。
しかし、言うまでもなくもうお気付きですよね?
これはパワハラだし、最終的に誰もついて来ません
マウントを取られている部下は、毎日こんな表情で仕事をすることでしょう。
これは、生産性を下げることにつながるし、退職に追いやるだけでなく、最悪の場合は精神疾患にさせたりその人の人生自体を変える行為にもなりかねません。
マウントを取ることは、容易に自己充足感を満たすことができる便利な行為なのですが、最終的には人が残らず、残るのは虚無感と言った虚しさです。
マウントを取られている側は、それ自体に気づかず消耗しているケースが多いです。
今回は、すごくわかりやすい極端な例を出しましたが、もっとわかりにくい【隠れマウント】と言うのも存在します。
【隠れマウント】については、今度別の記事でアップさせていただきたいと思います。
もし、上司の立場にある方で上記のようなマウントを無意識にとってしまっている人は要注意です。
そして、マウントを取られている人は、何よりも自分の精神を第一に考えた方がいいです。
周りに助けを求めるのもいいと思います。
ではまた。
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