心に残る「締めの挨拶」のつくり方|9年間、経営計画発表会で締めてきて見つけた型

心に残る締めの挨拶|ステージでマイクの前に立つ人と拳を上げる会場 会社員の方へ
スポンサーリンク
ワキログ
ワキログ

お疲れ様です。ワキログです。

僕には、毎年とても楽しみにしている「大仕事」があります。

それは、ある住宅・不動産の会社さんの「経営計画発表会」で、最後の締めの挨拶をさせていただくことです。

初めてこの会社の経営計画づくりをお手伝いしてから、もう9年。毎年この締めの挨拶を担当させていただいています。

今回は、心に残る締めの挨拶をつくるために、僕が大切にしている「型」をご紹介します。

先に結論をお伝えします。

締めの挨拶の主役は、話す人ではなく「その日の会場にいる全員」である。

「挨拶」と聞くと、話す人が何を言うかに意識が向きがちです。

上手なことを言おう、気の利いたことを言おう、と考えてしまうんですよね。

でも僕は、挨拶の良し悪しは、話し方の技術よりも「準備」で決まると思っています。

でも、本当に心に残る挨拶は、話す人ではなく、その場にいる人たちが主役になっている挨拶です。

しかも、締めの挨拶は、イベントの「一番最後」に話すものです。

人は、出来事の最後の印象を強く覚えていると言われます。

つまり、締めの挨拶は、その日一日の印象を決める、とても大切な数分間なんです。

だからこそ僕は、毎年この数分間のために、しっかり準備をして臨むようにしています。

社内のイベントや式典で挨拶をする機会がある方、スピーチが苦手な方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

挨拶の「型」を知っておくだけで、準備の仕方も、当日の落ち着きも、大きく変わります。

少し長くなりますが、お付き合いください。

9年間、締めの挨拶を任されてきて

年ごとに大きく育っていく苗木が並ぶ様子と見守るビジネスパーソン

経営計画発表会とは、会社の1年間の方針や目標を、社長や幹部の皆さんが社員の前で発表する場です。

僕はこの会社さんで、経営計画書の作成から、発表会の企画や運営まで、初回からずっとお手伝いをしてきました。

そして毎年、発表会の最後に「締めの挨拶」を担当させていただいています。

経営計画発表会は、社員の皆さんが会社の目指す方向を共有し、「今年はこれをやり切るぞ」と心をひとつにするための、年に一度の大切な場です。

社長の想い、幹部の皆さんの決意、各部署の目標。

それぞれの言葉が、会場にいる全員の「今年の約束」になっていきます。

ありがたいことに、この会社さんの発表会には、他の会社の社長さんが見学に来られることもあります。

見学に来られたある社長さんが、「これまで見た中で、一番レベルの高い発表会だった」とおっしゃってくださったこともありました。

それだけ、社員の皆さん一人ひとりが本気で準備して臨んでいる発表会なんです。

年によっては、乾杯の挨拶と締めの挨拶の両方を任されたこともありました。

後輩
後輩

毎年同じ会社で挨拶するのって、ネタ切れになりませんか?

先輩
先輩

毎年、会社も人も成長しているからね。その年にしかない話が、必ずあるんだよ。

9年間続けてきて感じるのは、「同じ挨拶は一度もない」ということです。

そして、毎年少しずつ、会場の雰囲気が変わっていくのを感じます。

社員の皆さんが増え、発表する方の顔ぶれが変わり、会社そのものが大きく成長していく。

その変化を、毎年同じ場所から見られることは、本当に幸せなことだと思っています。

会社のテーマも、発表する人も、会場の空気も、毎年まったく違います。

だからこそ、毎回ゼロから、その年だけの挨拶をつくっています。

毎年の挨拶を振り返ると、その年ごとの会社のテーマが見えてきます。

ある年は「よく学び、よく働く」、ある年は「人生の理念や目的を明確にする」、そしてまたある年は「新幹線経営」。

挨拶の言葉は、そのまま会社の成長の記録にもなっているんです。

とはいえ、毎回まったく手探りで考えているわけではありません。

9年間続ける中で、自然とできあがってきた「型」があるんです。

準備は「骨組み」と「当日の仕上げ」の2段階

締めの挨拶の準備は、大きく2つの段階に分けています。

ひとつは、事前の準備です。

今年の会社のテーマや、1年間の支援の中で印象に残った出来事をもとに、挨拶の「骨組み」と「素材」を用意しておきます。

もうひとつは、当日の仕上げです。

発表会で実際に語られた言葉を聞きながら、骨組みに「その日の言葉」を肉付けしていきます。

事前にすべてを決めてしまうと、どうしても「用意してきた話」になってしまいます。

半分は準備、半分はその場。このバランスが、生きた挨拶をつくるコツだと思っています。

それが、次の4つのステップです。

  1. その日の発表会の「キーワード」を拾う
  2. 幹部や社員さんの「裏話エピソード」を話す
  3. そこから得られる「学び」を伝える
  4. 全員で「掛け声」を合わせて締める

順番にご紹介していきます。

ステップ①:その日の「キーワード」を拾う

ステージに浮かぶ光のかけらを網ですくうビジネスパーソン

締めの挨拶で最初にやるのは、その日の発表会で出てきたキーワードを拾うことです。

経営計画発表会では、社長や幹部の皆さんが、それぞれの言葉で今期の方針を語ります。

その中には、必ず「今年の会社を表す言葉」が出てきます。

会社のスローガンのような言葉もあれば、発表者がふと口にした印象的なひと言のこともあります。

後輩
後輩

でも、キーワードを拾うなら、発表会が終わるまで挨拶の内容が決められないですよね?

先輩
先輩

そう。だから骨組みだけ準備しておいて、中身は当日の発表を聞きながら仕上げるんだよ。

締めの挨拶の一番の価値は、「今日、この場で話されたこと」を受け止めて返すことにあります。

キーワードを拾うためには、発表を「評価する」のではなく、「受け取る」姿勢で聞くことが大切です。

発表者が一番伝えたかったことは何か。

それを受け取ろうと耳を傾けていると、自然と言葉が浮かび上がってきます。

どこかで聞いたような名言を持ってくるより、その日に社長が語った言葉を拾って、「今日、社長はこうおっしゃいました」と話すほうが、何倍も会場に響きます。

なぜなら、それは会場にいる全員が「一緒に聞いた言葉」だからです。

逆に、どれだけいい話でも、その日の発表会とつながっていない話は、会場の人たちにとって「よそ行きの話」に聞こえてしまいます。

締めの挨拶は、その日の発表会の「続き」であるべきなんです。

同じ言葉を共有しているからこそ、会場全体がひとつになれるんです。

しかも、自分の発表の言葉を締めの挨拶で拾ってもらえた発表者は、「ちゃんと届いていたんだ」と感じることができます。

キーワードの見つけ方

キーワードを拾うときに、僕が特に注目しているのは、次の3つです。

  • 何人もの発表者が、くり返し使っていた言葉
  • 発表者が、一番感情を込めて話していた言葉
  • 会場から、笑いやどよめきが起きた言葉

くり返された言葉には「会社の方向性」が、感情のこもった言葉には「本気度」が、会場が反応した言葉には「共感」が表れています。

この3つが重なる言葉が見つかれば、それが、その年の締めの挨拶の軸になります。

ワキログ
ワキログ

発表会の最中は、「この言葉は締めで使えるな」という言葉を探しながら、一つひとつの発表に耳を傾けています。

締めの挨拶は、その日の会場で生まれた言葉でつくる。

ステップ②③:「裏話」と「学び」で心を動かす

舞台袖のカーテンの陰で楽しそうに話す2人

キーワードを拾ったら、次は幹部や社員さんの「裏話エピソード」です。

発表会の壇上では、皆さん堂々と方針を語ります。

でも、その発表の裏側には、たくさんの努力や葛藤があります。

僕は1年を通して、この会社の皆さんと関わっています。

だからこそ、壇上の姿だけではわからない「舞台裏」を知っているんです。

例えば、ある年には、月に一度の個別の面談を通して、メンバーの長所を伸ばせるリーダーへと成長していった幹部の方のお話をさせていただきました。

会場の皆さんが知っている「今の姿」と、僕が見てきた「成長の過程」をつなげて話す。

すると、会場の空気がふっと温かくなるんです。

後輩
後輩

裏話を話すのって、本人は恥ずかしくないんでしょうか?

先輩
先輩

だからこそ、本人が誇りに思える話を選ぶんだよ。笑いと少しの感動があるくらいがちょうどいいね。

裏話は、本人を「いじる」ためのものではなく、本人の頑張りを「称える」ためのものです。

会場の皆さんは、同じ会社で働く仲間の頑張りを知ることで、「自分も頑張ろう」という気持ちになります。

一人の成長の物語は、会場全体の背中を押す力を持っているんです。

そして、裏話のあとに必ずつなげるのが、そこから得られる「学び」です。

「この方の成長から、僕たちが学べることは何か」。

エピソードで心を動かし、学びで頭に残す。

裏話は、1年を通した関わりから生まれる

裏話は、発表会の直前に慌てて探しても見つかりません。

毎月の訪問の中で、「この人、変わってきたな」「この取り組み、面白いな」と感じた瞬間を、日頃から心に留めておく。

1年間の関わりの積み重ねが、そのまま締めの挨拶の材料になるんです。

だからこそ、締めの挨拶は、その1年間の支援の「集大成」だと思って臨んでいます。

この順番にすることで、挨拶が「いい話だったね」で終わらず、明日からの行動につながるものになります。

例えば、「一人ひとりの長所を伸ばすリーダーの存在が、チーム全体を強くする」という学びなら、会場の誰もが自分の立場に置き換えて考えることができます。

学びは、ひとつに絞る

ここで大切なのは、学びを欲張らないことです。

伝えたいことがたくさんあっても、最後の挨拶で持ち帰ってもらえるのは、せいぜいひとつです。

「今日はこれだけ覚えて帰ってください」と言えるくらい、ひとつに絞る。

そのほうが、聞いている人の心にまっすぐ届きます。

ちなみに、僕が初めてこの会社に関わった頃はまだリーダーだった方が、今では事業部を率いる立場になって、事業を大きく成長させています。

一社の中で、人と事業が成長していく景色をずっと見てこられたことは、僕にとっても本当に大きな財産です。

ステップ④:全員の「掛け声」で締める

一斉に拳を突き上げる大勢の人と紙吹雪

そして最後は、全員で掛け声を合わせて締めます。

この会社さんでは、毎年、次のような形の掛け声で締めるのが恒例になっています。

「やろうぜ!〇期!〇〇棟!やり切ります!」

その年の期数や、目標の棟数を入れて、会場の全員で声をそろえて叫びます。

年によっては、会場全員での「一丁締め」で締めたこともありました。

掛け声の良さは、話を「聞く側」だった人たちが、最後の最後で「参加する側」になれることです。

どれだけ良い話をしても、聞いているだけでは、気持ちはなかなか行動に変わりません。

でも、自分の声で「やり切ります!」と宣言すると、その言葉は自分自身への約束になります。

掛け声をつくるときのコツ

  • 短く、リズムよく言える言葉にする
  • その年の期数や目標の数字など、「今年だけ」の要素を入れる
  • 全員が迷わずに言える、シンプルな言葉にする

特に、数字を入れるのがポイントです。

「〇〇棟」という目標を全員で声に出すことで、その数字が「会社の目標」から「自分たちの目標」に変わります。

ワキログ
ワキログ

全員の声がぴたっとそろった瞬間の一体感は、この発表会ならではの光景です。

締めの挨拶のゴールは、「いい話を聞いた」ではなく、「よし、やるぞ」と全員が思える状態をつくること。

感動的な話で涙を誘うことよりも、明日からの一歩を踏み出したくなる気持ちをつくること。

締めの挨拶は、発表会の「終わり」ではなく、新しい1年の「始まり」の合図なんです。

そのために、最後は必ず、全員が主役になれる形で終えるようにしています。

挨拶の最後に、聞き手を「参加者」に変える。

掛け声は、会場の「温度」を最後に一段上げる

発表会が進むにつれて、会場の熱は少しずつ高まっていきます。

その熱を、最後にもう一段階引き上げて、全員の心をひとつにするのが掛け声の役割です。

掛け声の前に、ほんの一瞬「間」をとると、効果はさらに大きくなります。

会場がしんと静まったところで、一気に声を合わせる。

この静と動のコントラストが、一体感を生むんです。

今日からできるセルフチェック

次に挨拶やスピーチをする機会があったら、次の4つを準備してみてください。

  • その日の場で生まれた「キーワード」は何か
  • 話したい人の「頑張り」がわかるエピソードはあるか
  • そのエピソードから、全員が持ち帰れる「学び」は何か
  • 最後に、全員で参加できる「ひと言」は何か

この4つがそろえば、挨拶はぐっと心に残るものになります。

挨拶の長さは、長くても5分程度にまとめるのがおすすめです。

締めの挨拶は、短く、熱く、最後は全員で。

まとめ:挨拶は、主役を輝かせるためにある

ステージに向かう多くの人の背中と温かい照明

今回お伝えしたかったことは、この2つです。

  1. 締めの挨拶は「キーワード→裏話→学び→掛け声」の型でつくる
  2. 挨拶の主役は、話す人ではなく、会場にいる全員

僕は自分のことを「大きな脇役」と呼んでいます。

経営者や社員の皆さんが主役で、僕はその主役を裏側から支える存在でありたい、という意味です。

締めの挨拶は、まさにその「大きな脇役」としての仕事が、一番わかりやすく表れる場面だと思っています。

そして、毎年この挨拶を任せていただけることは、この会社の皆さんとの信頼関係の証でもあると思っています。

だからこそ、毎年「去年よりも心に残る挨拶を」という気持ちで準備しています。

話しているのは僕ですが、光を当てているのは、会場にいる皆さんです。

脇役がいい仕事をすると、主役はもっと輝きます。

そして、主役が輝いている姿を一番近くで見られることこそが、脇役の一番の喜びなのだと思います。

ワキログ
ワキログ

最後に、ひとつだけ。

挨拶やスピーチが苦手な方は、「自分が上手に話さなきゃ」と思っていることが多いように感じます。

でも、挨拶の目的は、自分が評価されることではなく、その場にいる人たちの気持ちをひとつにすることです。

そう考えると、少し気持ちが楽になりませんか?

その日の言葉を拾い、誰かの頑張りを称え、最後に全員で声を合わせる。

それだけで、きっと心に残る挨拶になります。

来年もまた、この会社さんの発表会で、全員の声がそろう瞬間を迎えられるのを楽しみにしています。

ワキログでした!

コメント

タイトルとURLをコピーしました