
お疲れ様です。ワキログです。
「コンサルタントって、実際に何をしているんですか?」と聞かれることがよくあります。
たしかに、外から見ると、どんな一日を過ごしているのかイメージしにくい仕事かもしれません。
そこで今回は、僕が顧問先の会社を訪問する一日が、どんな流れで進んでいるのか、その舞台裏をご紹介します。
会議の組み立て方や準備の仕方は、会社の会議を見直したい方にも、きっと参考になると思います。
先に結論をお伝えします。
一日の訪問は、「社長→幹部→現場」の順番で会議を組むと、決めたことが一日で現場まで届く。
僕の訪問日は、朝から夕方まで、いくつもの会議が続きます。
でも、ただ会議を並べているわけではありません。
どの順番で、誰と、何を話すかには、はっきりとした意図があります。
ある日の訪問は、例えばこんな流れです。
- 10:00 到着・社長との打ち合わせ
- 午前〜昼すぎ 幹部会議
- 午後 営業会議
会社によっては、午後から訪問して「社長との打ち合わせ → 広報の打ち合わせ → 最後のまとめ」という流れで進めることもあります。
会社ごとに内容は違っても、「上から順番に」という考え方は共通しています。
会議が多いのに物事が前に進まないと感じている経営者の方、会議の進め方に悩んでいる方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
少し長くなりますが、お付き合いください。
訪問日は「移動」から始まっている

僕の訪問日は、まず移動から始まります。
全国の顧問先を訪問しているので、朝一番の電車や新幹線に乗って、10時ごろに会社に到着するのがよくあるパターンです。

朝から移動して、そのまま一日会議って大変じゃないですか?

移動の時間も、実は大事な準備の時間なんだよ。
移動中は、その日の会議の準備を最終確認する時間にしています。
前回の打ち合わせの記録を見返して、「前回どこまで進んだのか」「今回確認すべきことは何か」を頭に入れておきます。
会社に着いた瞬間から、すぐに本題に入れる状態にしておくことが大切なんです。
移動中には、例えばこんな準備ができます。
- 前回の記録を見返して、宿題の進み具合を確認する
- その日に社長と話したいテーマを絞り込む
- 幹部会議や営業会議で確認したい数字を洗い出す
到着したときに「今日のゴール」が頭に入っているかどうかで、一日の密度は大きく変わります。

僕は前回の打ち合わせの記録を、図やタイムラインを使った「見てわかる」形で残すようにしています。移動中にぱっと見返すだけで、その会社の状況を思い出せるからです。
そして、準備はもっと前から始まっています。
訪問の前日には、先方に「議題連絡」を送るようにしています。
- 当日の時間帯
- それぞれの会議の参加者
- 話し合うテーマ(アジェンダ)
これを箇条書きにして、前日のうちに共有しておくんです。
例えば、こんな形です。
- 10:00〜 社長会議(社長):今期の課題の壁打ち
- 11:30〜 幹部会議(社長・幹部の皆さん):モデルハウス計画の進捗、来期の事業計画
- 14:00〜 営業会議(営業チーム):受注の進捗、今期の着地見込み、ロープレ
時間と参加者とテーマが一目でわかるように、できるだけシンプルに書くのがポイントです。
参加者を明記しておくと、「この会議には自分も出るんだな」と、事前に心の準備をしてもらうこともできます。
長い文章で送るより、箇条書きのほうが、スマホでもぱっと確認できます。
事前にテーマがわかっていれば、参加する皆さんも準備をして会議に臨むことができます。
「今日は何を話すんでしたっけ?」から始まる会議と、全員が準備してきた会議とでは、中身の濃さがまったく違います。
会議の冒頭の数分を「今日のテーマの確認」に使わずに済むだけでも、限られた時間をぐっと有効に使えるようになります。
前日の議題連絡は、参加者への「思いやり」
忙しい中で会議の時間をとってもらう以上、その時間を最大限に活かしてもらいたい。
議題連絡は、そのための小さな思いやりでもあります。
会議の質は、会議が始まる前の「準備」でほとんど決まる。
最初は「社長との1対1」から

会社に着いたら、最初に行うのが社長との打ち合わせです。
多くの場合、社長と僕の1対1で行います。
ここでのテーマは、社長が今抱えている課題の「壁打ち」です。
経営計画の進み具合、組織の悩み、新しい事業のアイデア。
社長は、会社の中で一番孤独な立場です。
社員の前では言いにくいこと、まだ整理しきれていない考えを、安心して話せる場が必要なんです。

社長との打ち合わせって、コンサルタントが答えを教える場じゃないんですか?

答えを出すのは、あくまで社長なんだ。僕の役割は、社長の考えを整理して、決断を後押しすることなんだよ。
壁打ちで大切なのは、答えを押し付けることではなく、社長の頭の中を一緒に整理していくことです。
短い時間で結論を急ぐと、本当の課題にたどり着く前に話が終わってしまいます。
だからこそ、社長との打ち合わせは、じっくり話せる時間をとるようにしています。
話しているうちに、社長自身が「そうか、本当に気になっていたのはここだったのか」と気付く瞬間があります。
その気付きが、その日の幹部会議や営業会議の方向性を決めていきます。
壁打ちで大切にしている3つの問い
社長との壁打ちでは、例えばこんな問いかけが、考えを整理するのに役立ちます。
- 今、一番気になっていることは何ですか?
- それが解決したら、会社はどうなっていますか?
- まず、何から手をつけますか?
①で課題を言葉にし、②でゴールをはっきりさせ、③で最初の一歩を決める。
この流れで話を進めると、漠然とした悩みが、具体的な行動に変わっていきます。
社長の中で考えが整理されると、その後の会議の進み方も大きく変わります。
だからこそ、社長との打ち合わせは、必ず一日の最初に置くようにしているんです。
社長の「孤独」に寄り添う
社長は、会社の最終的な決断をすべて一人で引き受ける立場です。
相談できる相手が、社内にはいないことも少なくありません。
だからこそ、利害関係のない外部の人間として、安心して本音を話せる存在でいたいと思っています。
次に「幹部会議」、そして「営業会議」へ

社長との打ち合わせのあとは、幹部会議です。
幹部会議では、社長と幹部の皆さんと一緒に、会社全体の方針や、大きなプロジェクトの進み具合を確認します。
例えば、モデルハウスの計画をどう進めるか、土地を選ぶときの基準をどう決めるか、今期の成績をどう振り返り、来期の事業計画にどうつなげるか。
社長との打ち合わせで整理された考えを、幹部の皆さんと共有し、具体的な計画に落とし込んでいく場です。
幹部会議でよく扱うのは、「今期をどう着地させるか」と「来期に向けて何を準備するか」の2つです。
目の前の数字と、少し先の未来。この両方をバランスよく話すことが大切です。
そして、その次が営業会議です。
営業会議では、営業担当の皆さんと一緒に、より現場に近いテーマを扱います。
- 受注の進み具合と、今期の着地見込み
- お客様一人ひとりの状況の確認
- 営業ロープレ(商談の練習)
特に大切にしているのが、お客様一人ひとりの「上質世界」の確認です。
もちろん、数字の確認も欠かせません。
営業会議で数字を見るときは、「受注できたかどうか」だけでなく、その手前の数字も一緒に確認します。
- 問い合わせや来場の数
- 次のアポにつながった数
- 資金計画や提案まで進んだ数
どこで止まっているのかがわかれば、営業会議で話し合うべきテーマもはっきりします。
「上質世界」とは、選択理論心理学の考え方で、その人が大切にしているもの、理想としているイメージの世界のことです。
お客様が本当に望んでいる暮らしは何か。そこを営業担当と一緒に深く考えることで、提案の質が大きく変わります。
間取りや金額の話ばかりしていると、どうしても他社との「条件の比べ合い」になってしまいます。
でも、お客様の上質世界に寄り添った提案ができれば、「この会社で建てたい」と思っていただけるようになります。
広報の打ち合わせを行う会社もある
会社によっては、営業会議とは別に、広報の打ち合わせの時間を設けています。
- イベントのスケジュールづくり
- 広告の配信設定が、きちんとできているかの確認
- 今後の方針と、担当者ごとのタスクの設定
集客は、工務店にとって営業の入口です。
どれだけ営業が頑張っても、そもそもお客様との出会いがなければ、受注にはつながりません。
だからこそ、広報の打ち合わせでは、「いつ、誰が、何をやるか」まで具体的に決めるようにしています。

営業ロープレは、最初は恥ずかしがる方も多いです。でも、練習した分だけ本番のお客様の前で落ち着いて話せるようになるので、できるだけ続けてもらうようにしています。
ロープレは「テスト」ではなく「練習」
ロープレというと、上司の前で試される場のように感じる方もいるかもしれません。
でも、ロープレの目的は、評価することではなく、本番でうまく話せるようにすることです。
失敗していい場所で、たくさん失敗しておく。
お客様役と営業役を交代しながら練習すると、お客様の立場から自分の話し方を見直すこともできます。
相手の立場を体験することが、一番の上達の近道です。
それが、本番のお客様の前での自信につながります。
社長 → 幹部 → 営業という順番で会議を組むことで、朝に社長と話したことが、夕方には現場まで届いている状態をつくれます。
同じ一日の中で、方針が現場まで伝わる。
月に一度の訪問だからこそ、この「一日で完結する流れ」がとても大切なんです。
次の訪問まで間が空いてしまうと、社長の考えと現場の動きの間に、どうしてもズレが生まれてしまうからです。
上から順番に会議を組むと、一日で「方針」が「行動」に変わる。
会議の順番を間違えると、何が起きるか
例えば、社長の考えが固まる前に営業会議をしてしまうと、現場は「結局どっちに進めばいいのか」と迷ってしまいます。
方針が決まる前に現場が動くと、あとで手戻りが起きるんです。
最後の「まとめ」と、その後の議事録

会社によっては、一日の最後に「まとめ」の時間を設けています。
その日に話し合ったことを振り返り、「今日決まったこと」と「次回までにやること」を全員で確認する時間です。

最後にもう一度まとめるのって、時間がもったいなくないですか?

実はこれが一番大事なんだよ。確認しないと、せっかく決めたことが、帰り道で半分くらい消えちゃうからね。
会議で決めたことは、その場で確認しないと、驚くほど早く忘れられてしまいます。
だからこそ、最後に「誰が、何を、いつまでに」を全員で確認してから、その日を終えるようにしています。
まとめの時間があると、会議に参加していなかった人にも、その日の結論を正確に伝えやすくなります。
まとめの時間は、長くとる必要はありません。
大切なのは、その日に決まったことを、全員が同じ言葉で理解している状態をつくることです。
「Aさんは、来週までにイベントの告知文をつくる」
「Bさんは、今月中にモデルハウスの候補地を2つに絞る」
このように、具体的な言葉で確認し合うだけで、次の訪問までの1か月の動きがまったく変わってきます。
そして、訪問が終わったら、議事録をまとめます。
最近は、録音から文字起こし、議事録づくりまでをAIの力を借りてかなり効率化できるようになりました。
関係者に共有する議事録と、自分の次回の準備用の記録。この2つを残すことで、次の訪問へとバトンをつないでいきます。
議事録は、できるだけ早く共有するようにしています。
記憶が新しいうちに届けることで、決まったことがすぐに動き出すからです。
次の訪問までの1か月が本番
訪問日は、あくまで「作戦会議」の日です。
本当に会社が変わるのは、次の訪問までの1か月の間に、皆さんが決めたことを実行していく時間です。
だからこそ、訪問日の最後には、全員が「明日から何をやるか」を持ち帰れる状態をつくることを大切にしています。
今日からできるセルフチェック
- 会議の前日に、テーマと参加者を共有しているか
- 会議の順番は、「方針を決める会議」から「現場の会議」へと流れているか
- 会議の最後に、「誰が、何を、いつまでに」を確認しているか
ひとつでも答えに詰まったら、まずは前日の「議題連絡」から始めてみてください。
まとめ:一日の流れに、意図を込める

今回お伝えしたかったことは、この2つです。
- 会議の質は、前日の「議題連絡」と移動中の準備で決まる
- 「社長→幹部→現場」の順番で会議を組むと、決めたことが一日で現場まで届く
コンサルタントの訪問日は、ひとつひとつの会議が、ばらばらに存在しているわけではありません。
朝から夕方まで、一本の線でつながった「ひとつの流れ」になっています。
朝の社長との打ち合わせで生まれた気付きが、昼の幹部会議で計画になり、午後の営業会議で行動に変わる。
そして最後のまとめで、全員の約束になる。
この流れを毎月くり返していくことで、会社は少しずつ、でも確実に前に進んでいきます。
コンサルタントの仕事は、会議で「いい話をする」ことではありません。
会議を通して、会社が自分たちの力で前に進める状態をつくることです。
そして、この考え方は、コンサルタントの訪問日に限らず、会社の中の会議にもそのまま使えます。
例えば、月初の会議を「経営会議 → 部門長会議 → 各チームの会議」の順番で組むだけでも、方針が現場まで届くスピードは大きく変わります。

最後に、ひとつだけ。
会議が多いのに物事が進まないと感じたら、会議の「中身」より先に、会議の「順番」と「準備」を見直してみてください。
誰と、どの順番で、何を話すのか。
それが決まるだけで、会議は「話し合う場」から「前に進める場」に変わります。
僕もこれからも、一日一日の訪問を大切に、顧問先の皆さんと一緒に一歩ずつ前に進んでいきます。
ワキログでした!



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