会社経営に付き物の従業員の退職。
今回は退職について考えてみます。
前提として、従業員が辞める会社が悪いと言うわけではありません。
『あの会社はよく社員が辞めるから悪い会社だ!』『ブラックだ!』なんてことを耳にすることがありますが、社員が辞めていくことは必ずしも悪いと言うことではありません。
すごく成長できる環境で、スキルを身につけてキャリアアップしていく場合もありますし、この変化が目まぐるしい時代の中で経営者がどんどん進化・変化していく中でついていけない社員が辞めていくケースもあります。
経営者の進化・変化に社員がついていけないケースでは、経営者が非常に優秀なことが多く、そのような会社は刺激的で面白いし、業績も好調である傾向にあります。
なので、社員が辞めていく=悪い会社とは一概には言えないのです。
とはいえ、できれは従業員には長く働いてもらいたい・・・・
と言うお声もよく聞きます。
それは、単純に労働力として使いたいと言う合理的な考えと、せっかっく自社の社員になってもらったんだからという感情的な思いがあると思います。
結論:社員が会社を辞める理由は2つあります。
それは
- 会社の未来が見えない時
- 会社の未来が見えた時
です。
『え、どっちにしろ辞めんの?』
そんなお言葉を頂きそうなので一つずつ見ていきましょう。
1.会社の未来が見えない時
これは言うまでもなく、、と言う感じですが・・。
会社の未来が見えない時は『私はこの会社で働き続けてどうなるんだろう』
といった不安にかられてしまいます。
その要因は
- 経営自体が安定していない(安定して利益が出ていない)
- 人が増えていないし、自分が昇進していけない
- 働き方がブラックで入社以来ずっと長時間労働を続けている
- 先輩や上司、社長から仕事の目的ややりがいを感じられない
といったところです。
上記のような場合、『このままこの会社で働き続けても自分の将来が見えないな。だったら早めに辞めてしまおうか・・。』と言う発想になります。
2.会社の未来が見えた時
会社の未来が見えない時に、社員は不安になり辞めていくのはわかりますが、実は会社の未来が見えた時にも社員が辞めていくと言うのは盲点です。
ただ、この未来の見え方に関しても、社員が辞める見え方があります。
1つ目は、経営自体の低迷が目に見えている時です。
今の時代、需要が目まぐるしく変化しているのに会社自体が変化せず、売り上げも利益も下がっている会社と言うのは山ほどあります。
逆に、今までになかった業界が誕生しているという事実もあります。
そんな中、経営者自身が新たな舵取りをせずに、古い考えで経営を続けていこうとしても全く状況は改善されず、業績の低迷は目に見えています。
『このまま続けていてはうちの会社は確実に業績が悪化する一方なのに、うちの社長は何も手を打とうとしない』と言う状況になってしまうのですね。
こんな暗い未来が見えてしまっては辞めざるを得ません。
2つ目は、会社の先輩・上司の生活を見て自分の将来が見えてしまった時です。
- このまま順調にいけば昇進できるけど給料が増えない
- 昇進はできるけどあまりにも大変そう
- 給料が上がっても全然ワクワクしない
- プライベートが上手くいってる上司が一人もいない
という状態です。
これは、今の時代に結構多い傾向にあります。
ひと昔前に比べて、昇進は男のロマンみたいな価値観が少なくなり、自分らしさとか、プライベートの充実を重視する世代にとって、上司や先輩の姿というのは大きな影響を与えます。
特に若手は上司や先輩の姿を将来の自分の姿に照らしあわせるので、この影響力は無視できません。
今の会社に求められるのは、自分らしさとワクワク感。
働き方改革の中で、いろいろな施策が講じられてしますが、本来の働き方改革とは労働時間を短くすることではなく、働き方の多様性を実現することです。
子供がいる人には子育てがしやすい働き方、趣味を副業としている人には副業がしやすい働き方、会社にすべてをかけてどっぷり浸かりたい人にはがむしゃらに働ける働き方、そんな多様性が重要になってきます。
その働き方こそが、”自分らしさ”に繋がってきます。
そして、これだけモノに溢れて安く良質なサービスや商品を手に入れられる時代においては、単なる安定ではなくて、やっていて楽しい、ワクワク感も非常に大切です。
はっきり言って、社長がどこを向いて経営をしているかです。
事業内容もそうですし、古い価値観にとらわれず、働く個人の自分らしさとワクワク感を生み出せる経営者のもとであれば、社員は長く生き生きと働くことができます。
それを示す重要な役割を果たすのが経営計画です。
たて前で数字や”物心両面の・・・”とかそれらしい言葉を並べるのではなく、社長の本音で突き進みたい方向を示す必要があります。
社員さんが生き生きと自分らしく働ける環境を作り、お客様にとってもより良い価値を提供できる会社になるために、少しでもお役立ていただけると幸いです。
ではまた。
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