お疲れ様です。ワキログです。
今まで僕が所属してきた会社や、コンサルティングをしてきたクライアント先で、ほとんどの社長や管理職の方が『社員の主体性がない』という悩みを抱えていました。
今まで社員が主体的でない会社の原因は、社員自身にあると思っていただのですが、どうやらそれだけが原因ではなさそうです。
そこで今回は【社員の主体性がない会社】について考えていきたいと思います。
先日このようなツイートをしました。
第一の原因は、【主体性を潰す存在】がいること
まず結論からお伝えすると、社員の主体性がない会社には必ずといって良いほど【主体性を潰す存在】がいます。
それは、中小企業であれば社長ですし、大企業の場合は特定の管理職です。
主体性のない社員は、もともと主体性がなかったわけではなく入社してから主体性を失っている可能性が高いということです。
そもそも、採用面接を通って入社しているわけなので、面接の時にはある程度主体性を持って話ができているはずです。
なのに、なぜ入社してから主体性がなくなってしまうのか。
簡単に考えてみましょう。
【とある日】
社長、お客様にもっと自社のことを知ってもらうためにInstagramをやりませんか?
最近の若者はなんでもネットで解決しようとするな。そんな、インスタなんとかなんてやってる暇があるなら訪問しろ!人間の心と心と繋げるためには、やっぱり訪問だ!
そもそも君の今の営業成績でよくそんなことが言え・・・・・・・
・・・・・・承知しました。
【別の日】
社長、今のうちの工程管理の効率をもっと高めるためにクラウドサービスを使用しませんか?
クラウドなんだって?
また効率化、効率化って・・・・
面倒なことをから逃げるようでは一生成長できないぞ。何でもラクに済ませようとするな。
そんなにラクすることばかりを考えていてもお前のためにならないんだぞ。
・・・・・・承知しました。
(これは、何を言っても無駄だな。もう言うのはやめておこう・・。)
こうして、意見を言わなくなる社員が完成します。
上記では社長を例にあげましたが、ある程度の規模の会社になってくると部長クラスが【主体性を潰す存在】になっていることがあります。
通常、社員の主体性と言うと【社員が自ら考えて行動すること】という文脈で使われるケースが多いのですが、このように意見を潰す環境では自ら考えて行動することは許されません。
これは、企業や組織の文化です。
意見を潰す文化があるうちは、主体性を発揮させることは難しいでしょう。
また、主体性は文字通り強要するものであっては意味がありません。
『お前たちはもっと主体性を持て!』という“指示”を出すことは、本来の目的とは極めて矛盾する行動です。
社員の主体性を発揮させるには相応の覚悟が必要
上記のように意見を潰す存在がいなくて、社員が主体的に行動している会社を想像してみましょう。
一見、素晴らしい会社のように見えますが、そのような会社の社長は『うちの社員は何でも好き勝手に行動してしまう』という悩みを抱えることになります。
社員に主体性を発揮してもらうには、それを受け入れる覚悟が必要です。
社長や経営陣の覚悟なしに社員に主体的に行動してもらうのは不可能です。
これは、社員の意見を潰しながら自分の支配下に置くよりもはるかにハードルが高いことです。
社長は経営をする以上、常にお金のこと・お客様のこと・取引先のことを考えている中で、社員に好き勝手に行動されては管理が仕切れないし日々不安を抱えることになるからです。
つまり、社長が求める主体性とは、何でもかんでも主体的に行動することではなく、【社長の意図通りに都合よく行動してくれること】なのです。
絶対的な行動指針:会社のミッション
そこで重要なのが、会社のミッション(理念)になってきます。
何でもかんでも自由に主体性を発揮するのではなく、会社が掲げるミッションに向かい、それぞれの個性を生かした主体性を発揮することが理想です。
主体的な行動として思い浮かべるのは、今でも伝説的な神対応として語り継がれる東日本大震災時のディズニーランドの対応です。
震災当日、身動きが取れないお客様に対してキャストが現場の判断で様々な対応をされました。
防災頭巾としてぬいぐるみを配布したり、空腹対策のためにお土産を配ったり、お客様の不安を解消するために楽しませたり、素晴らしい対応をされたとのことです。
結果として、ディズニーランドのイメージ向上に貢献した行動なのですが、何故ここまでの対応ができたのでしょうか?
それは、ディズニーランド(オリエンタルランド)が掲げるミッション・行動指針によるものです。
『こんな勝手なことをしては上司や社長に怒られるだけじゃなくて、物品代の請求をされてしまう』と普段からビクビクしながら仕事をしていては、このような発想にはならなかったでしょう。
普段からゲストへのおもてなしに手を抜かないディズニーランドの理念浸透の証とも言えます。
あなたの会社のミッション・行動指針は何ですか?
そこで、自社のミッション・行動指針について一度考えてみましょう。
どこかの会社の言葉をそのままパクっただけの理念になっていないか?
そこには本当に魂がこもっていて最重要ミッションとして浸透しているのか?
普段から社長が発信しているか?
そのような想いがあってこそ、社員の主体性が発揮されるのです。
まとめ:文化・覚悟・ミッションが社員の主体性を発揮させる
ここまでの話をまとめると、社員の主体性を発揮させる大前提として下記の3つが重要となります。
- 文化(意見を潰さない)
- 覚悟(主体性を受け入れる)
- ミッション(絶対的な行動指針)
これは、社員が主体的な行動をするための“必要条件”であり、“十分条件”ではありません。
上記を大前提として、各々の社員の能力が発揮される環境になるのです。
僕は今IT企業に入りましたが、その会社では社員がかなり主体的に活動しています。
入社間もない僕の意見にも熱心に耳を傾けてくれますし、積極的にやりたいことをやらせてくれます。
しかし、もしやりたいという行動内容がミッションからズレているものであれば当然実行できません。
そのすり合わせが日常的に行われているからこそ、社員の主体性が発揮されているのだと気がつきました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
『社員の主体性がない』と悩んでいる社長や管理職の方がいらっしゃれば、是非、文化・覚悟・ミッションを今一度考えていただけると幸いです。
『意見を言っても全然聞いてもらえない』と悩んでいる社員の方がいらっしゃれば、今一度自分の会社のどこに問題があるかを考えていただきたいです。文化の問題なのか?それとも自分の意見がミッションとかけ離れているのか?
社長や経営陣と、社員が双方に歩み寄って個性が発揮され、より楽しく働くためにもこの記事をお役に立てていただけると嬉しいです。
ではまた。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございます。
このブログのコンセプトは『働くって、本当は楽しい』を配信することです。
主に過去なかなか実績を出せずに悩んでいた自分に対して、当時知っておきたかった考え方や手法を伝えるものです。
仕事は本質的には楽しいことだと思うのですが、少し歯車が合わなくなるだけでとても辛いものへと変化します。
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