
お疲れ様です。ワキログです。
僕は仕事柄、ほぼ毎日のように会議に参加しています。
社長との打ち合わせ、幹部会議、営業会議。そのたびに必ずつくるのが「議事録」です。
実は最近、この議事録を「3種類のフォーマット」で使い分けるようにしました。
今回は、なぜ議事録の形を変えるのか、そしてそれぞれをどう使い分けているのかをお話しします。
先に結論をお伝えします。
議事録は「何を書くか」より先に、「誰が、何のために読むか」で形を決める。
議事録と聞くと、「会議の内容を漏れなく記録するもの」と思っている方が多いのではないでしょうか。
もちろん、記録としての役割も大切です。
でも、どれだけ丁寧に書いた議事録でも、読まれなければ意味がありません。
そして、読まれる議事録と読まれない議事録の差は、書き手の文章力ではなく、「読む人に合わせた形になっているかどうか」で決まります。
会議の多い経営者の方、議事録づくりを任されている社員さんに、ぜひ読んでいただきたい内容です。
少し長くなりますが、お付き合いください。
議事録は「書いて終わり」になりがち

まずは、よくある議事録の悩みから考えてみます。

会議のたびに議事録を丁寧に書いているんですけど、誰も読んでいない気がするんです…

それ、「全員に同じ議事録を配っている」からかもしれないよ。
議事録が読まれない一番の理由は、「読む人によって、知りたいことが違う」からです。
例えば、同じ営業会議の議事録でも、読む人によって知りたいことはまったく違います。
- 社長が知りたいのは、「結局どうなったのか」「何を決めたのか」
- 担当者が知りたいのは、「自分は何を、いつまでにやればいいのか」
- 次回の会議の進行役が知りたいのは、「前回どこまで話したのか」
全員の知りたいことを1つの議事録に詰め込もうとすると、誰にとっても読みにくいものになってしまうんです。
しかも、会議の内容を時系列に並べただけの議事録は、読む側が「大事なところ」を自分で探さなければいけません。
忙しい人ほど、その手間をかけてくれません。
例えば、「〇〇について意見交換。Aさんから△△との意見。Bさんからは□□との意見」という書き方。
一見、丁寧に記録されているように見えます。
でも、読み終わったあとに「で、結局どうなったの?」と思ってしまうんです。
会議の流れをそのまま書くのではなく、「結論」と「次にやること」を先に書く。
これだけでも、議事録はぐっと読まれやすくなります。
だから、議事録は「書いて終わり」になってしまうんです。
そこで僕は、議事録を「読む人」と「目的」に合わせて、3つの形に分けることにしました。
- Aフォーマット:関係者に「読んでもらう」ための議事録
- Bフォーマット:内容を「整理して残す」ための議事録
- Cフォーマット:自分が「次に活かす」ための議事録
同じ会議でも、目的が違えば、最適な形は変わります。
議事録の「読み手」は3種類いる
議事録の読み手は、大きく3種類に分けられます。
- 会議に参加していなかった人(全体像を知りたい)
- 会議に参加していた人(自分のやることを確認したい)
- 未来の自分(前回の続きから始めたい)
この3種類の読み手それぞれに、最適な議事録の形があるんです。
それぞれ、順番にご紹介していきます。

ちなみに僕は、会議の録音から文字起こし、議事録づくりまでを、AIを使ってかなり自動化しています。形を使い分けられるようになったのも、つくる手間が大きく減ったおかげです。
Aフォーマット:関係者に「読んでもらう」議事録

Aフォーマットは、社長や社員の皆さんなど、会議の関係者に読んでもらうための議事録です。
僕の中では、一番よく使う「基本の形」になっています。
特徴は、次の3つです。
- 1ページ目に、独立した枠で「エグゼクティブサマリー」を置く
- 会議ごとに、話し合った内容の詳細をまとめる
- 最後に、「担当者別のアクション一覧」をつける
一番のポイントは、1ページ目のエグゼクティブサマリーです。
忙しい社長は、議事録の最初の1ページしか読まないこともあります。
だからこそ、1ページ目だけ読めば「何が決まったのか」がすべてわかるようにしておくんです。
詳細を知りたい人は、2ページ目以降を読めばいい。
「全部読まなくても大丈夫な議事録」にすることで、逆にしっかり読んでもらえるようになります。
エグゼクティブサマリーは「3つの要素」で書く
僕がエグゼクティブサマリーを書くときに意識しているのは、次の3つです。
- 今日、何が決まったのか
- 今、何が課題になっているのか
- 次回までに、誰が何をするのか
この3つさえ押さえておけば、会議に参加していなかった人でも、会議の結果をすぐに理解できます。
逆に言えば、この3つが書けないときは、会議そのものが「決めきれていない」可能性があります。
エグゼクティブサマリーは、会議の中身を映す鏡でもあるんです。
もうひとつ大切なのが、担当者別のアクション一覧です。
会議で決まったことを、「誰が」「何を」「いつまでに」の形で、担当者ごとにまとめます。
担当者は、議事録の中から自分の名前を探すだけで、やるべきことがわかります。

アクション一覧って、会議の中で決まったことを並べるだけじゃダメなんですか?

「決まったこと」だけだと、誰がやるのかが曖昧になりやすいんだよね。「人ごと」に並べるのがポイントなんだ。
会議で決まったことが実行されない原因の多くは、「誰がやるか」が曖昧なままだからです。
担当者ごとにまとめ直すだけで、「これ、誰がやるんだっけ?」がなくなります。
アクションは「動詞」で書く
アクション一覧を書くときは、「〇〇の件」ではなく、「〇〇を作成する」「〇〇に連絡する」のように、必ず動詞で終わらせます。
「件」で終わるアクションは、何をすれば完了なのかがわからないからです。
動詞で書くだけで、担当者は迷わずに動き出せるようになります。
僕は、1日に複数の会議がある訪問日には、それぞれの会議をまとめて1冊の議事録にしています。
経営会議、営業会議、工程会議など、その日に話し合ったことが1冊で振り返れるので、とても便利です。
Aフォーマットをつくるときのコツは、「結論から書く」ことです。
会議の流れの順番ではなく、決まったことを重要な順に並べる。
そうすることで、読む人は上から順に読むだけで、大事なことから頭に入っていきます。
議事録は「全部読まなくてもわかる」ようにつくると、かえってしっかり読まれる。
Bフォーマット:内容を「整理して残す」議事録

Bフォーマットは、話し合った内容を階層で整理して、しっかり残すための議事録です。
Aフォーマットが「読んでもらう」ことを重視しているのに対して、Bフォーマットは「構造がわかる」ことを重視しています。
特徴は、本文を4つの階層に分けて書くことです。
- 大項目(Ⅰ.):会議の大きなテーマ
- 中項目(1.):テーマの中の論点
- 小項目((1)):論点の中の具体的な内容
- 箇条書き:細かい事実や数字
階層がはっきりしていると、長い会議の内容でも、全体像を一目でつかむことができます。
例えば、経営計画のように話が多岐にわたる会議では、どの話がどのテーマにつながっているのかが見えなくなりがちです。
でも4つの階層に分けておけば、「この話は、あのテーマの中の、この論点の話だったな」と迷わずに読めます。
例えば、集客についての会議なら、こんなイメージです。
- Ⅰ.集客について
- 1.イベント集客
- (1)先月のイベントの振り返り
- ・来場組数と、そのうちの次回アポの数
大きなテーマから具体的な事実へと、上から下に「ズームイン」していく構造です。
読む人は、自分に必要な深さまで読んだら、そこで止めても大丈夫。
階層があるからこそ、読む人が自分で「読む深さ」を選べるんです。

Bフォーマットは、色も薄いブルーとグレーの落ち着いた配色にしています。長い文書でも、落ち着いて読める雰囲気にしたかったからです。
Bフォーマットが向いているのは、次のような場面です。
- 話し合うテーマが多い会議
- 後から何度も読み返す可能性がある会議
- 複数の人が、それぞれ違う論点を確認したい会議
「読み物」としての議事録ではなく、「資料」としての議事録。
それが、Bフォーマットの役割です。
Aは「伝えるため」、Bは「残すため」。
長期間にわたるプロジェクトや、毎月くり返し話し合うテーマほど、Bフォーマットの良さが活きてきます。
前回の議事録と並べて読むと、テーマごとにどう変化してきたのかが、ひと目でわかるからです。
この違いを意識するだけで、議事録の書き方は大きく変わります。
Cフォーマット:自分が「次に活かす」議事録

そして、最近新しくつくったのが、Cフォーマットです。
Cフォーマットは、誰かに渡すためではなく、自分自身の記録と、次回の訪問の準備のための議事録です。
一番の特徴は、「見てわかる」ことを徹底している点です。
長い箇条書きは、あえて書きません。
その代わりに、会議の内容を図にして残します。
- 冒頭に、その日の要点をまとめたボックス
- 大事な数字は「数値タイル」で大きく表示
- タイムライン、関係図、分担図、2×2のマトリクス、ファネル、ガントチャート、工程図、スケールの8種類の図解
- 今どうなっているかがわかる「状況マーカー」付きの論点ボード
- アクション表と、次回の議題案のチェックリスト
- 自分用のメモ
そして、それぞれの図には必ず「この図から読み取れること」を1文だけ添えています。
図だけだと、あとで見返したときに「何が言いたかったんだっけ?」となってしまうからです。

でも、自分用の記録なら、メモ書き程度でも十分じゃないですか?

次の訪問は1か月後だったりするからね。1か月後の自分は、今日の自分とは別人だと思ったほうがいいよ。
1か月後の自分は、今日の会議の空気感をほとんど覚えていません。
どれだけ印象に残った会議でも、ほかの会社の会議を何度も重ねるうちに、記憶はどんどん上書きされていきます。
だからこそ、ぱっと見ただけで「前回どこまで進んで、何が課題だったのか」が思い出せる形で残しておく。
Cフォーマットは、未来の自分に向けた「引き継ぎ書」なんです。
例えば、受注の進み具合をファネルの図にしたなら、「問い合わせは増えているが、アポへの移行で止まっている」のように、図から読み取れることを1文で書き添えます。
図と1文がセットになっていると、1か月後に見返しても、一瞬で状況を思い出せます。
次回の訪問の前日にCフォーマットを見返すだけで、どの会社の会議にも、すぐに頭を切り替えて臨むことができます。
複数の会社を同時に支援している僕にとって、これは欠かせない道具になりました。
特に、8種類の図解を使い分けられるのが大きいと感じています。
- 時間の流れを見たいとき → タイムラインやガントチャート
- 人や部署の関係を見たいとき → 関係図や分担図
- 優先順位を決めたいとき → 2×2のマトリクス
- 営業の進み具合を見たいとき → ファネル
話の中身に合った図を選ぶと、文章で書くよりずっと早く状況が伝わります。
議事録の読み手は、他人だけではない。「未来の自分」も、大切な読み手のひとり。
議事録の形を変えると、会議そのものが変わる
3つのフォーマットを使い分けるようになって、気付いたことがあります。
それは、議事録の形を意識すると、会議そのものの質も変わるということです。
議事録を「誰が読むか」を意識するようになると、会議中の聞き方が変わります。
- 社長に伝えるべき「決まったこと」は何か
- 担当者ごとの「やるべきこと」は何か
- 次回までに確認すべき「宿題」は何か
会議の最中から、この3つを意識して聞くようになるんです。
すると、会議の最後に「では、決まったことを確認しますね」と自然にまとめられるようになります。
議事録を意識することが、そのまま会議の「締まり」につながっていくんですよね。
3つのフォーマットの使い分けのコツ
- 社長や関係者に共有する → Aフォーマット(伝える)
- テーマが多く、あとで何度も読み返す → Bフォーマット(残す)
- 次回の訪問や会議の準備に使う → Cフォーマット(次に活かす)
迷ったときは、「この議事録を、誰に、いつ読んでほしいか」を考えれば、自然と形が決まります。
今日からできるセルフチェック
- 自分がつくった議事録は、誰が、何のために読んでいるか
- 1ページ目だけで、「何が決まったか」がわかるか
- 「誰が、何を、いつまでに」が、人ごとにまとまっているか
ひとつでも答えに詰まったら、まずは1ページ目に「決まったこと」を3行でまとめるところから始めてみてください。
それだけで、議事録の読まれ方は大きく変わるはずです。
まとめ:議事録は、読む人への「思いやり」

今回お伝えしたかったことは、この2つです。
- 議事録は「誰が、何のために読むか」で形を決める
- 「伝える」「残す」「次に活かす」で、フォーマットを使い分ける
議事録は、ただの記録ではありません。
読む人の時間を大切にし、会議で決めたことを確実に前に進めるための「思いやり」だと、僕は思っています。
同じ内容でも、読む人に合わせて形を変えるだけで、伝わり方はまったく変わります。
そしてそれは、議事録に限らず、報告書や提案書、日々のメールにも言えることです。
「誰が読むか」を考えて書く習慣は、あらゆる仕事の質を上げてくれます。
形を変えることは、書く人の手間を増やすことではなく、読む人の手間を減らすことです。
議事録の形に、たったひとつの正解はありません。
大切なのは、「この議事録を読んだ人が、次にどう動けるか」を想像してつくることです。
議事録は、その練習にぴったりの題材なんです。

最後に、ひとつだけ。
議事録をつくるのは、正直なところ、少し面倒な仕事かもしれません。
でも、その議事録が、誰かの判断を助け、誰かの行動を後押しし、次の会議をもっと良いものにしてくれます。
今はAIの力を借りれば、議事録をつくる手間は大きく減らせる時代です。
だからこそ、空いた時間で「誰のための議事録か」を考えることに、力を使ってみてください。
読む人の顔を思い浮かべながらつくった議事録は、きっと会議を変えてくれます。
ワキログでした!



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