
お疲れ様です。ワキログです。
最近、YouTubeで「仕事ができる人の小技」というシリーズを企画しています。
小技って、見ていて面白いし、明日からすぐに使えるので人気があるんですよね。
ただ、小技を集めれば集めるほど、僕の中でどんどん大きくなっていく思いがありました。
それは「同じ小技でも、効く人と効かない人がいる」ということです。
今回は、その差を生んでいる”本質”の部分について、僕自身の経験も交えながらお話ししていきます。
先に結論をお伝えします。
お客様と会うとき、心の中で「私に会えて、おめでとうございます」と思えるくらいの自信を持つこと。
……いきなり何を言っているんだ、と思いましたよね。
「なんて傲慢なやつだ」と感じた方もいるかもしれません。
でも、最後まで読んでいただければ、この言葉の本当の意味がわかっていただけると思います。
そして、ここで言う自信は、根拠のない気合いや、強気な性格の話ではありません。
むしろ、ものすごく地味で、ものすごく具体的な話です。
小技の話が好きな方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
少し長くなりますが、お付き合いください。
小技は面白い。でも、小技だけでは続かない

この企画を思いついたきっかけは、登山の小技を紹介しているYouTube動画でした。
僕自身、山に登るのが好きなので、ついつい見てしまうんです。
「この道具はこう使うと楽になる」「下りではこう足を置くと膝を痛めにくい」みたいな、知っているだけで得をする話。
コメント欄も盛り上がっていて、「これは仕事でも絶対に面白い」と思いました。
実際、仕事にも小技はたくさんあります。
- 相手の名前を、会話の中で何度か呼ぶ
- 「褒める」のではなく「承認する」
- 提案は3つ用意して、真ん中を本命にする
- 商談の最後に、次に会う日をその場で決めてしまう
どれも知っておいて損はありませんし、実際に効きます。
小技には「すぐに試せる」「効果がわかりやすい」という良さがあるので、見ていて楽しいんですよね。
ただ、コンサルとして色々な会社の営業の方を見ていると、同じ小技を使っても、結果がまったく違うんです。

教わった通りに、お客様の名前を何回も呼んでみたんですけど…なんだか空回りしちゃって。お客様も少し引いていた気がします。

僕は特に何も意識してないんだけど、気付いたらお客様と話が弾んでて、次の約束も自然と決まってるんだよね。
この差は何なのか。
僕なりに観察してたどり着いた答えが、小技は、自信という土台の上に乗せて初めて効くということでした。
自信のない人が小技を使うと、それは「テクニック」として相手に透けて見えます。
名前を何度も呼ばれたお客様は、「あ、何かの本で読んだやつだな」と感じてしまうんです。
一方で、自信がある人が同じことをすると、それは自然な「気遣い」として相手に届きます。
やっていることは同じでも、受け取る側の印象はまるで違うんですね。
例えるなら、小技は料理の「スパイス」のようなものです。
素材が良ければ、スパイスはその良さを何倍にも引き立ててくれます。
でも、素材そのものに自信がないままスパイスだけを足していくと、どんどん味がぼやけていってしまう。
営業でいう素材とは、自分自身と、自分が扱う商品・サービスです。
ここに自信があるかどうかで、小技の効き方がまったく変わってきます。
だからこそ、小技を学ぶ前に、まずは土台となる「自信」について考えてほしいんです。
心の中で「すみません」と言っていないか

では、自信がある人とない人は、具体的に何が違うのでしょうか。
僕が一番わかりやすいと思っているのが、お客様と会うときの”心の中のひと言”です。
例えば、お客様にお時間をいただいて商談をする場面。
口に出す言葉は、きっとどちらも同じです。
「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。」
でも、心の中はまったく違います。
自信がない人の心の中は、こうです。

(お忙しいのに、わざわざ時間を取らせてしまってすみません…)
一方で、自信がある人の心の中は、こうです。

(私に会えて、おめでとうございます!今日は絶対に「会えてよかった」と思ってもらいます。)
いかがでしょう。
口では同じ「ありがとうございます」を言っていても、中身がまったく違いますよね。
自信がない人は、心の中で「すみません」と言っています。
自信がある人は、心の中で「おめでとうございます」と言っています。
「すみません」が出てくるのは、心のどこかで「自分の話には、相手の時間をもらうほどの価値がないかもしれない」と思っているからです。
つまり、相手に対して申し訳ないと感じているのは、実は自分の準備や商品に対する「不安」の裏返しなんですね。
そして、この違いは不思議なくらいお客様に伝わります。
「すみません」の人は、どこか遠慮がちです。
説明が早口になり、聞きたいことも聞けず、肝心なところで一歩引いてしまいます。
お客様からすると「この人、本当に自信を持っておすすめしているのかな?」と感じてしまうんです。
反対に「おめでとうございます」の人は、落ち着いています。
聞くべきことをきちんと聞けて、言うべきことをきちんと言えます。
お客様にとって耳の痛いことでも、必要だと思えばきちんと伝えることができます。
なぜなら「この出会いは、お客様にとって絶対にプラスになる」と、心の底から信じているからです。
自信とは、「私に会えたことは、お客様にとって幸運だ」と本気で思えている状態のこと。
「おめでとうございます」は、傲慢ではない
ここで誤解してほしくないのは、これは「偉そうにしろ」という話ではない、ということです。
口に出すのは、もちろん感謝の言葉です。
態度も、丁寧で謙虚であるべきです。
大事なのは、表面の言葉ではなく、その奥にある「確信」です。
想像してみてください。
病院に行って、お医者さんがおどおどしながら「すみません、たぶんこの薬で大丈夫だと思うんですけど…」と言ったら、どうでしょう。
不安になりますよね。
逆に、落ち着いた様子で「大丈夫です。この治療で良くなりますよ」と言ってもらえたら、それだけで安心できます。
お客様も同じです。
高い買い物であればあるほど、お客様は「この人に任せて大丈夫か」を見ています。
だからこそ、売る側が心の中で「すみません」と言っていてはいけないんです。
特に住宅のように、何千万円というお金と、家族の何十年という暮らしがかかっている買い物ならなおさらです。
お客様は、商品の良し悪しと同じくらい、「目の前の営業が、自分の提案を本気で信じているかどうか」を感じ取っています。
「おめでとうございます」という心の中のひと言は、お客様に安心を届けるための、営業側の覚悟なんです。

小技シリーズと対になる「本質編」をやりたいと思ったのは、まさにこの部分を伝えたかったからです。
僕がサイボウズを”変態的に”調べ上げた話

では、どうすれば心の中で「おめでとうございます」と言えるようになるのか。
ここで少し、僕自身の話をさせてください。
僕は以前、前職のコンサルティング会社からサイボウズに転職しました。
実はサイボウズは、もともと入りたかった会社ではありません。
「なぜこの会社は、ここまで働きがいのある環境をつくれているんだろう?」
それが気になって仕方がなくて、自分の研究対象として調べ始めたのがきっかけでした。
調べて、調べて、また調べて。
今振り返っても、あれは結構”変態的”な調べ方だったと思います。
その結果、理念に心から共感して、「この会社に乗っかっていきたい」と思って応募しました。
あれだけ調べ尽くしていたからこそ、面接でも借り物ではない、自分の言葉で話せたのだと思います。
転職の面接は、言ってみれば「自分という商品」を売り込む営業です。
その商品である自分が、相手の会社のことを誰よりも理解していて、心から共感している。
そうなると、「この会社にとって、僕に会えたことはきっとプラスになる」と自然に思えるんです。
ここで伝えたいのは、自信は「知っている量」から生まれるということです。
性格が強気かどうかは、あまり関係ありません。
相手のこと、自分が扱うもののことを、誰よりも知っている。
その状態になると、人は自然と堂々とできるんです。
これは、工務店さんの営業の方を見ていても、まったく同じです。
自社の家づくりについて、なぜこの工法なのか、なぜこの素材なのかを熱く語れる営業の方は、お客様の前でも堂々としています。
一方で、「会社からそう言われているので」という説明しかできない営業の方は、どうしても言葉が弱くなってしまう。
これはセンスの差ではなく、単純に「知っている量」と「考えた量」の差なんです。
僕自身、資格の勉強でも同じことを感じました。
僕は中小企業診断士と宅建を、どちらも独学・一発で合格しましたが、特別な才能があったわけではありません。
やったのは、準備の量を地道に積み上げることだけです。
自信は「持とう」と思って持てるものではなく、準備を積み上げた結果として、後から勝手についてくるものなんですよね。
今、独立してコンサルをしている僕の顧問先は、すべてご紹介でつながったご縁です。
ご紹介をいただけるのは、「大脇さんに会えてよかった」と思っていただけた結果だと思っています。
だからこそ僕自身も、社長さんとお会いするときは、心の中で「おめでとうございます」と言えるだけの準備をしてから伺うようにしています。

転職の面接で僕が実践していたことは、こちらの記事で詳しく書いています。

自信を持つための3つの自己研鑽

では、具体的に何を積み上げればいいのか。
僕が工務店さんの営業研修でもお伝えしていることを、3つにまとめます。
- 自社の商品を、誰よりも理解する
- お客様のことを、深く理解する
- 「この人と一緒にやりたい」と思われる自分を磨く
順番に見ていきます。
①自社の商品を、誰よりも理解する
今の時代、多くの情報はお客様が自分で調べることができます。
住宅であれば、性能の数値も、工法の違いも、ネットで調べればたくさん出てきます。
つまり、間違いのない情報を届けるのは「当たり前」で、それだけでは価値になりません。
大切なのは、お客様が調べてきたことに対して、「なぜうちはこうしているのか」を自分の言葉で語れるかどうかです。
カタログに書いてあることを読み上げるだけなら、お客様はわざわざ営業に会う必要がありません。
その商品が生まれた背景、こだわっている理由、他社との違い。
ここまで語れるようになると、商品について何を聞かれても怖くなくなります。
②お客様のことを、深く理解する
商品を知っていても、お客様を知らなければ、的外れな提案になってしまいます。
家族構成、今の暮らしで困っていること、好きなもの、苦手なもの、これからどんな暮らしをしたいのか。
お客様の状況や好みを深く理解できていれば、必要な情報を、必要なタイミングで届けることができます。
逆に、お客様のことを知らないまま話すと、どれだけ良い商品でも「押し売り」に聞こえてしまいます。
「この話は、この人のためにしている」という確信があると、話す側にも迷いがなくなります。
③「この人と一緒にやりたい」と思われる自分を磨く
最後は、自分自身です。
情報を提供するだけなら、ネットやAIでも十分な時代になってきました。
それでも人から買う理由があるとすれば、それは「この人と一緒にいると楽しい」「この人と一緒に家づくりがしたい」と思ってもらえるかどうかです。
そのために、仕事以外の時間も含めて、自分を磨き続ける。
本を読む、人に会う、体を鍛える、新しいことに挑戦する。
一見、営業とは関係なさそうなことでも、それが自分という人間の「厚み」になっていきます。
遠回りに見えますが、最終的にはここが一番効いてきます。
今日からできるセルフチェック
3つの自己研鑽が、今の自分にどれくらいできているか。
次の質問に、すぐに答えられるかどうか試してみてください。
- 自社の商品の「こだわりの理由」を、自分の言葉で3つ言えるか
- 次に会うお客様の家族構成、今の暮らしの不満、これからの希望を言えるか
- 最近、仕事以外で「自分が成長した」と思えることは何か
もし答えに詰まったものがあれば、そこが次に積み上げるべきポイントです。
全部に即答できるようになった頃には、きっと心の中のひと言も変わっているはずです。

この3つは、どれも明日すぐにできることではありません。
でも、積み上げた分だけ、確実に自信になって返ってきます。
小技が「即効薬」だとしたら、自己研鑽は「体質改善」なんですよね。
まとめ:小技は、自信に乗せて初めて効く

今回お伝えしたかったことは、この2つです。
- 小技は、自信という土台の上に乗せて初めて効く
- 自信は、商品・お客様・自分自身を深く知る「準備の量」から生まれる
小技を学ぶことを否定するつもりは、まったくありません。
僕自身、小技の話は大好きですし、YouTubeでもどんどん紹介していくつもりです。
ただ、小技だけを集めて満足してしまうと、どこかで必ず頭打ちになります。
逆に、自信という土台さえできていれば、小技はいくらでも上乗せできます。
土台がしっかりしている人ほど、小技を「自分のもの」として使いこなせるようになります。
小技と本質は、どちらか一方ではなく、順番の問題なんですよね。

最後に、ひとつだけ。
次にお客様とお会いするとき、心の中で自分が何と言っているか、少しだけ意識してみてください。
もし「すみません」と言っていたら、それは能力の問題ではなく、まだ準備が足りていないだけかもしれません。
準備は、今日からいくらでも積み上げられます。
口では「ありがとうございます」と感謝を伝えながら、心の中では「私に会えて、おめでとうございます」と言える自分を目指して、一緒に積み上げていきましょう。
ワキログでした!


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