お疲れ様です。ワキログです。
僕はコンサルタント時代、クライアント様の営業マンに対してみっちり営業ロープレをしていただいていました。
最初は嫌だと思っていても、何度もやり続けると慣れます。
この慣れが重要で、お客様の前でも100%の力を発揮するには何度も何度も反復して慣れていく必要があります。
しかし、営業ロープレをやっていただいた後のフィードバックの時間で、若手の方がいきなり泣き出すということもありました。
そこで、今回は営業ロープのフィードバック方法について考えていきたいと思います。
営業ロープレを行う理由(メリット)については下記に参考記事を掲載しておきますので、お時間のある時に見ていただけると幸いです。
結論:要点を“1つ”に絞り込んでからフィードバックする
営業ロープレには【継続は力なり】という言葉がそのまま当てはまります。
実施方法としては1ヶ月に1回、2時間とってみっちりと行うよりは、毎日15〜30分行う方が効果的です。
毎日の実施が現実でない場合は週に2〜3回でも良いと思います。
これは勉強と同じですが、忘れないうちに復習することが大切です。
そこで、フィードバック内容を適切に反映したロープレを行おうとすると、【フィードバックをもらった10個の内容を全て反映したロープレを翌日に実施する】ということはほぼ不可能です。
(トップクラスに優秀な方であれば可能かもしれませんが、少なくとも凡人の僕には無理です)
フィードバックの内容をしっかりと次回に活かすという前提に立った時、1つ改善するということで精一杯です。
『1つって少なすぎじゃない?』と思われる方もいるかもしれませんが、多くのことを指摘して1つも改善されないよりはよっぽど効果的です。
さらに、『あれもこれも』と考えすぎて今までできていたことすらできなくなってしまっては本末転倒です。
- ロープレを実施する
- フィードバック内容を確実に反映する
- 定着させる
というプロセスを考えた時、1回のロープレのフィードバックは1つに絞り込んだほうがいいでしょう。
また、大量の改善点を指摘されると精神的な苦痛を感じます。
ここで、僕が最近体験した話をご紹介します。
コンサルからIT企業への転職で感じたこと
僕は28歳にしてコンサルティング企業からIT企業に転職しました。
正直言って、わからないことばかりです。
割とパソコンは触れるほうだと思っていてもITに関する必要知識は多方面に渡り、特に用語の意味がわからなかったのです。
入社してから1週間は外国人の中で仕事をしているような気分でした。
これだけITの時代と言われている中で、自分の無知度合いには正直引きました。
そして、入社して3週間後に先輩社員10名程度の前で自社製品説明や模擬的に作った提案をプレゼンするという機会がありました。
これも、一種のロープレです。
今まではロープレを開催して、実践した方に対するフィードバックをする立場だったのですが、久しぶりにフィードバックされる立場になりました。
結果は、総じてみなさんから良いフィードバックをいただいたのですが、必ず改善点も指摘していただきます。
自分では気がつかないところまで気がついてくれて、本当にためになるアドバイスをいただきますし、アドバイスも丁寧に優しく伝えていただきます。
しかし、例えば10人から改善点を2つずついただくとすると、20通りの改善点をいただくことになります。
ここでようやく気がついたのですが、20通りの改善点をもらうと、結構ヘコみます。
コンサルティングをしていてフィードバックばかりする立場で、フィードバックされる立場になったのは久しぶりすぎて、こんな感覚になったのは新鮮でした。
10人の前でロープレをして、全員からフィードバックをもらうこということは1対10でボコボコにされているような感覚になります。
さすがに今は何を言われようと素直に受け入れることができるし、改善点もよくよく聞けば20通りではなく本質的には3つくらだなということがわかるので、すぐに対策を打つことができます。
しかし、『もしこれが22歳で業界も社会も未経験の新人であったら・・』と考えると相当なダメージを受けると感じました。
従来のフィードバック方法
多くの会社様でロープレを実施してきましたが、1回のロープレのフィードバックであがるのは下記のような内容が多かったです。
- 来場したきっかけを聞けていない
- なぜ商品の購入を検討しているのかを確認できていない
- お客様に会った時の笑顔が足りない
- 声が小さい
- 資料をペンで指してはいけない
- ペンケースが学生っぽい
- お客様の質問に答えられていない
- 相槌が不愉快
- お客様の目を見て話せていない
- etc
と言った感じです。
いくら最初に『全体的にはよくできていたとは思うけど、強いて言えば・・』という前置きがついていたとしても上記のように大量に改善点を与えられても言われた側はすぐには改善できませんし精神的にダメージを受けます。
実施者
そんなに多くのこと言われてもいっぺんに対応できないよ〜
そんなに自分はできてないのかな。
と不安が増大します。
ただでさえ、先輩社員に聞かれているというプレッシャーの中でロープレを実施した後なのに、これだけの集中攻撃には耐えられません。
そのようなドキドキして精神的に疲れている状態でなんとなくノートにメモをしても、次のロープレで生かされることはありません。
アドバイスをしている側は優しく伝えているつもりなのですが、自分の改善点を言われ続ければ、自分の人格を否定されているような気分にもなってきます。
ロープレは中期育成を前提とするべし
営業マンとして働く人の中には、物を覚えるのが得意な人もいれば会話が上手な人もいます。
一方で、知識は豊富だけど伝えるのが苦手な人や、話すのはうまいけどヒアリングが苦手な方など、様々なタイプの人がいます。
営業マンも人間なので、いろんなタイプの人がいて当然です。
業種にもよりますが、営業マンとしての上達・成長は半年〜1年くらいの中期的な計画をするのがちょうどいいかと思います。
これは50社以上の住宅会社の営業マンを見てきて感じたことであり、成長する営業マンはロープレの反省点を着実に修正していきます。
別の視点でいうと、営業マンの育成が上手い会社は着実に修正できる内容をフィードバックで伝えています。
つまり、要点を絞り込んで優先順位の高い改善点をアドバイスできているということですね。
【1回のフィードバックで20個の改善案を伝え、1つも改善されない】
よりも
【1回のフィードバックで1つだけ改善案を伝え、確実に修正していきながら繰り替えす】
という方が圧倒的に成長できます。
現在、IT業界に入って1ヶ月の僕でも製品の提案ができるようになったのは、このような【凡人の成長プロセス】を理解しているからです。
毎日、焦って色々なところに手をつけるよりも優先度の高い項目を確実に潰していくということを実践しています。
まとめ:1つの改善を着実に繰り返すことで前進する
ロープレをやる以上は成果に繋げなければ意味がありません。
成果に繋げる=契約率の向上
契約率の向上=接客品質の向上
接客品質の向上=正しいヒアリングと正しい提案
このように、正しいヒアリングと正しい提案をするためにも、営業の方は日々ロープレに励んでいます。
そのロープレが、逆に営業マンの心を砕いたり、何も改善されないものであってはいけません。
初めは、できないことばかりで不安にもなるし多少負荷がかかるかと思いますが、正しい練習を繰り返せば必ず上達しますし、上達してから本当に楽しさが見えてくるのだと思います。
自身の成長に繋がる営業ロープレは本来素晴らしい取り組みなのに、一部の間違った実践によって多くの営業マンに嫌われているのかもしれません。
今まで偉そうにクライアント様に『営業ロープレをやりましょう』とか、数多くのフィードバックをして良い気になってしまっていた自分がいましたが、改めて実施する側の気持ちを感じ取りました。
多少の辛さを感じると同時に『こんな気づきの宝庫のようなことをしない理由がない』とも思いました。
正しい練習と正しいフィードバックを行い、お客様を満足させることはもちろん、何より営業自身が仕事を楽しめるようになるためにも、この記事を少しでもお役に立てていただくと幸いです。
ではまた。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございます。
このブログのコンセプトは『働くって、本当は楽しい』を配信することです。
主に過去なかなか実績を出せずに悩んでいた自分に対して、当時知っておきたかった考え方や手法を伝えるものです。
仕事は本質的には楽しいことだと思うのですが、少し歯車が合わなくなるだけでとても辛いものへと変化します。
少しでも、働く楽しさを感じていただくためにも更新していきますので、これからもワキログをよろしくお願いします!
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