仕事をしていると、直属の上司やその一つ上の役職者と関わることはあっても、もっと上の方と話す機会はなかなかありません。
なので、会社として半年に1回くらいルールとして少し上の役職の方と一般社員が話す機会を儲けることは結構あります。
会社の規模が小さいと、上の役職というより、社長との面談になったりもします。
僕の前職の会社でもありました。
そして、僕が入社して2年目に受けたその面談によって、その役員に対する信頼のすべてを失い、ものすごく仕事へのモチベーションが低下する出来事がありました。
そこで今回、そんなことが起こらないように、当時の気持ちを交えながらまとめていきたいと思います。
事務作業に追われた新人時代
大前提として、コンサルティング会社に新卒で入社した頃の僕は何のスキルもなく、愛嬌もなかったので自分で仕事を取ってくることができない人間でした。
なので、とにかく上司に言われたことを必死にこなす日々を過ごしていました。
その状況を脱した方法は別の記事にしてあるので、お時間のある時に見ていただけると嬉しいです🔽
そして、前職では経営者向けの勉強会というものがあり、その準備はコンサルタントが行うことになっていました。
一度自社主催の勉強会を開催したことのある方ならわかると思いますが、事務作業はかなり大変です。
しかも、当時は何故かものすごくアナログだったので、クライアントへの出欠確認や事後資料はすべて印刷して郵送でした。
ある時、会議の中ですべての業務を入社1年目の僕がやることに決定しました。
盛らずに事実をお伝えすると、2日に1回は出張から会社に戻り、送付物を準備したりオペレーションの確認をしたりするために徹夜をしていました。
しかも、出張が多い仕事であり日中に会社に行けないため、経理から切手をもらうこともできず、切手は夜中のコンビニで自腹で払って買っていました。
(すべて合わせると100社以上の会社に送ることになり、しかも定形外なので結構な金額を払っていたのは、若手で金欠の僕には大打撃でした)
他の同期や先輩からは『お前まじで毎日社畜みたいなことやってんな』と言われていました。
『まじ社畜だわ〜勘弁してよ〜笑』
皆の前では明るく振舞っていましたが、徹夜して朝家に帰ってからは毎日泣いて、シャワーで流してからまた出張に出かけていました。
あまりにもしんどいので、当時の直属の上司に『出欠確認は郵送ではなくてメールにしませんか?』と提案すると、一瞬で却下されました。
当時は、『今までそんなことしたことない』というのが理由でした。
それでも、やるしかなかったんです。
僕には自分で仕事を作り出すことができなかったので、頑張ってやるしかなかったのです。
とにかく自分が役に立てる部分で何かをしないといけないと必死だったので、やり続けました。
そして、2年目になる頃には、自分で仕事を取り始める同期も出始め、実績に大きな差が生まれ始めました。
僕も少しだけ自分で仕事を取れるようになっていたのですが、事務作業が膨大すぎてそんな身動きが取れずにいました。
しかし、勉強会の事務作業は猛烈にやっていたので『ワキログが統括する勉強会の運営はスムーズでレベルが高い』という評判をもらえるようになりました。
僕もそこにやりがいを感じ始め、もっと頑張っていい勉強会にしていこうと思い始めました。
役員面談で『やってられるかと』と思った話
そんな時、役員面談があったのです。
若手で退職していく人が散見されていたこともあり、役員が【若手が普段上司に言えない意見】を聞くという趣旨での面談です。
その時、僕はこのような話をしました。
ワキログ
勉強会の準備で大変ですが、ようやくいい形になってきて、今まで以上にいい会を開催できるようになっています。
すると、役員からはこう言われました。
最近お前の話を聞いたり、仕事のやり方を見てるとさ〜、お前、事務局長だよな。そんな事務作業ばっかりしてないで稼ぐことしないのかよ?
何も返す言葉が見つかりませんでした。
そして、その時、その役員に対する信頼を失いました。
(今思うと、僕が勝手に『なんか勉強会運営のいいアドバイスとかもらえるかな?』と期待していただけです。会社に求められているのは事務作業ではなく数字であることを理解していなかったのです。)
めちゃくちゃ傷ついた記憶があります。
しかも、当時は満足に稼いでいなかったので、僕が声をあげても『ところで数字はいくらやってるんだっけ?』と言われて終わりです。
どうしようもないくらい疲労とストレスが溜まりました。
血便と血痰が同時に出ました。
今、冷静に考えてみてもあの時の面談の意味が全くわかりません。
もしかすると、【勉強会のことばかり考えて数字を追求していない僕を鼓舞するため】の面談だったのかもしれませんが、にしては面談が下手くそすぎて役員がやるものとは思えません。
重要なのは、面談の目的
かなり愚痴っぽいことになりましたが、事実を書くとどうしても愚痴っぽくなります。
僕は決して愚痴を言いたいわけではありませんし、当時の経験が今の自分に大いに役立っている部分があるので後悔もありません。
しかし、この【面談】というのは使い方を間違えると、本当にマイナスに作用するものだということを知ったのです。
当時の役員としては、会社の決まりということでなんとなくやっていたのでしょう。
僕も、コンサルティングの中で安易に社長と社員の面談を行いましょう、と提案してしまうこともありました。
面談の目的を改めて考えると下記のようになります。
- 普段言えない意見を言ってもらい、改善につなげる
- より上の立場から、仕事の本質的な重要性を伝える
どうしても、毎日一緒に仕事をしている上司には言いにくいこともあります。
そして、直属の上司からは概して業務に関係のある話をされることが多く、本来の仕事の目的とか重要性を聞くことがなく目の前のタスクに忙殺されます。
だからこそ、役員クラスの方が若手と話すことによって、意見を吸い上げたり仕事に対する大義を伝えたりする必要があるのです。
決して、【ただ会って、役員が言いたいことを言う場】ではありません。
まとめ:若手の悩みの吸い上げと理念の直接浸透のための面談
上記のように、仕事の本質を伝えると言うことは、会社の理念を伝えるということに近い部分もあります。
より経営者の近くにいる人間(あるいは経営者本人)だからこそ、会社の理念をリアルに伝えることができます。
そして、若手は意外と冷静に会社のことを見ているので、有用な意見を心の中に秘めていることもあります。
だからこそ、半年に1回の面談をうまく活用すれば、組織をもっとよくすることもできるし、若手自身の仕事の後押しをすることもできます。
不用意な面談は避け、面談の目的をしっかりと理解した上で話をし、少しでもいい会社にするためにもこの記事をお役に立てていただくと幸いです。
ではまた。
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