今回は営業の話です。
営業をしていると、様々なとこでつまずきます。
特に、僕が若手の頃は、『コンサル未経験で、特にこれと言ったスキルもないから提案できるものがない!』と悩んでいました。
結構、深刻に悩んでいました。
なぜなら、僕の提案を先方がなかなか受け入れてくれないからです。
どうせ経験の浅い新人の言うことだろ。
と言う感じであしらわれて何度も心が折れました。
これは、コンサル業界だけではなくて、どの業界でも言えることです。
今回は【権威】を積極的に使うことによって、この状況から脱した方法をまとめていきます。
ではいきましょう!
この記事を読んでほしい人
正直、この記事は僕が入社1年目に出会っておきたかった内容です。
こんな感じですね。
ある程度、実績を積んで自信を持てるようになってくると、営業は好循環になっていくのですが、最初の頃は普通に考えて難しいです。
しかし、活躍するまで(自分の力で契約を取れるようになるまで)の時間が長くなればなるほど、心が折れて挫折してしまうので、早くこの状況は脱した方がいいです。
『自分には営業向いてないかも・・。』と諦める前に、この記事の内容を実践してください!
権威の正体と権威の分解
僕はこれから、『権威を積極的に使いましょう!』という話を進めていきます。
そこで、権威とは何か?について考えておきましょう。
例によって、ウィキさんに聞いてみますね。
権威(けんい、英語: Authority)とは、自発的に同意・服従を促すような能力や関係のこと。威嚇や武力によって強制的に同意・服従させる能力・関係である権力とは区別される。代名詞的に、特定の分野などに精通して専門的な知識を有する人などをこのように称することもある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
なんだか・・、粗暴で堅苦しい表現ですね・・・。
ちょっと難しい表現だったので、この記事の中ではシンプルに下記のように定義します。
権威:『この人の言ってることなら信じられそう』と思ってもらえる存在
なんだか、わかりやすくなりました。
しかし【信じてもらえる存在】になるためには幾つかの要因があるので、もう少し分解してみましょう。
それは、【知識】・【人柄】・【経験】です。
この3つをうまく使っていくと権威を持つことができます。
それぞれ、細かく見て行こうと思うのですが、コンサル業界を例にするとわかりにくいので、人生で最も大きな買い物と言われる住宅業界の営業を例にあげてみます。
知識:勉強量でカバーできる
まずは、知識です。
これは、勉強量でカバーできるものなので、一番手っ取り早く権威を手に入れることができます。
知識が豊富な人は、自分の知らないことをいっぱい知っている人として信頼が増し、『この人なら信じられそう』と思ってもらうことができます。
もちろん、持っている知識は適切なタイミングで適切な分だけアウトプットする必要があります。
簡単な例として、下記を見てみましょう。
このように、知識があるのとないのとでは信頼度が全く違います。
それは、お客様に対する説明にしっかり根拠があるかどうかの違いです。
そして、知識は勉強さえすれば簡単に獲得できるものなので、手っ取り早いです。
しかし、勉強さえすれば獲得できるのは、お客様も同じです。
手っ取り早く手に入れられる【知識】という権威は、実際の現場では少し弱めです。
どちらかというと、知識はあって当然のものです。
結構勉強好きなお客様の接客をする場合は、自分よりも知識を持っているということもあるので、最低限の知識は必ず身に付けておく必要があります。
人柄:なかなか高めるのが難しい
これは、生まれ持ったものと経験に裏付けられた自信によるものがあります。
これはどうしようもないことですが、もともと人柄がよくて人に愛される雰囲気を持っている人がいます。
そういう人の場合、笑顔で『ムク材って本当にいいですよ〜!すごく気持ち良いし暖かいし!』て言うだけでお客様を納得させてしまう力があるので驚異的です。
本当、妬ましいくらいに羨ましいです・・・・。
しかも、そういう人ってその印象の良さでどんどん契約を獲得して、さらに実績と経験を積んでいくので、もうずっと好循環です。
もちろん、自分の印象をよく見せる工夫は必要ですが、努力でこのような人柄の持ち主になるのは現実的ではないです。
経験:積極的な質問で得られる、最も強力な権威
すいません、この記事で一番お伝えしたいのは、ここからです。
経験という権威の中には、実績も含まれます。
ノーベル受賞とか、10年で売上1000億円の企業を作ったとか、実績による権威はかなり偉大です。
しかし、このような大それた経験だけではなくとも、経験は大きな権威となります。
自分にしか得ることのできない経験が、強力な権威となります。
どういうことかというと、これだけの情報社会になると、上述したように知識はある程度誰でも手に入れられるようになっているので権威は弱めになります。
口コミやレビューが増えてはいるものの、特に人生で一回しか買わないような住宅購入の経験というのはまだまだ少ないのが現状です。
ただ、人生で一回しか買わないからこそ、実際に買った人の経験というのはお客様が求める情報になるのです。
一生に一回の買い物、失敗したくないけどわからないことが多いのです。
住宅会社で働いていると、嫌が応でも家づくりに関わる機会は普通の人よりは圧倒的に多くなります。
家づくりを考え始めの方や、家を建てて1年後の方など多くの経験者と会うことになるのですが、そんな経験をしている人はほぼいません。
しかし、住宅会社で働いている人は自分自身もそのような経験をすることが多いし、もっと多くの経験をしてきている先輩たちが多く働いています。
そして、更なる朗報があります。
人の経験は、自分の権威として使うことができます。
例えば、下記の例を見てみましょう。
今回はすごく簡単な例をあげましたが、それ以外にも、転職したばっかりでローンが不安とか、奥様がどうしてもアイランドキッチンにしたいとか、予算はないけど絶対畳のスペースは欲しいとか、いろいろな要望があります。
そんな時、ただ知識を話すだけよりも実際の経験をお伝えした方が絶対にお客様のためになりますし、説得力が増します。
そして、上記のように経験は自分でしていなくても他の人の経験でもいいのです。
既に多くの家づくりに携わっている先輩の方であれば、かなりの事例を持っていることでしょう。
なので、自分でちょっとでもつまづいたら、『このようなお客様はいましたか?』と先輩に聞くのです。
聞く内容は、より具体的な方がいいでしょう。
何人家族?年齢は?年収は?奥様の趣味は?
そして、全部メモして【あたかも自分が担当したお客様かのように話せるレベル】まで徹底的に反復します。
なぜ、そこまで細かく行う必要があるかというと、経験は細い方が価値が生まれるからです。
ある悩みを抱えている方にお話しする事例としては、その境遇に近いお客様のエピソードが最も強力働くからです。
僕も、コンサルティング経験ゼロの自分の話をなんとか聞いてもらおうと、必死で先輩や上司に聞いたり、調べたりしました。
例えば、経験を権威として活用する前の僕は、コンサルティングの場で『新人営業の育成』について提案する時に下記のような話し出しをしていました。
『入社して半年で新人が活躍するにはですね・・・・』
という提案の方法です。
僕自身に経験がないので当然、
どうせ経験の浅い新人の言うことだろ。
となってしまいます。
そこで、提案の方法を変えました。
『昨年、御社と同じように新人を2名採用した○○という会社様があります。そこの新人の方は入社して半年で初契約を獲得することができて、更に半年で2件の契約を獲得することができました。その会社の育成方法は・・・・・・』
と、こんな感じです。
今まで僕に見向きもしなかった社長の表情が変わったので、効果抜群でした。
若手のうちだからこそ、先輩にウザいと思われるくらい質問できます。
どんどん質問しましょう。そして他の人の経験を自分の権威としましょう。
それが、自分の価値自体を最大化させます。
まとめ:権威を活用しているうちに本当の自分の権威となる
最低限の知識を身につけることを前提に、どんどん他の人の経験を自分にインプットしましょう。
それって結局他の人の経験でしかないんでしょ?
当たり前です。だって初めは誰でも経験0なんですから。
でも、そうやって他の人の経験を借りながらお客様に貢献し、契約をいただくということを積み重ねていくと、自分自身の経験になり、唯一無二の権威となります。
僕は住宅会社の営業が得意なので、今回は住宅会社の例をあげましたが、これはどの業界でもある程度通用します。
特に、保険・不動産・車・結婚とか、購買頻度の低い高単価商材を扱う営業にとってはかなりの威力です。
営業は、経験を積むまでが本当に苦しいです。
だけど、いろんな出会いがあって素晴らしい職種だと思っています。
仕事を楽しく成長できる場に、素敵な出会いが得られるようにこの記事を少しでもお役に立てていただくと幸いです。
ではまた。
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