仕事をする上で、効率化は非常に大切です。
しかし、最近効率化を重視するあまり行動が伴わない意見を口にする若手が増えているのも事実です。
そして、時にはその効率を求めすぎる発言は周囲をイラつかせます。
今回は、僕が実際に後輩に言われてムカついた言葉を冷静に考えていきたいと思います。
この記事を読んでいただきたい方
この記事は、若手の方と若手を指導する先輩の立場にある方、双方に読んでいただきたい内容です。
こんな感じです。
ではいってみましょう!
【効率厨】の特徴
【厨】とはネット上で揶揄(やゆ)される表現としてよく使われる言葉です。
【効率厨】とは、すぐに効率を考えたがる人のことで、下記のような特徴があります。
(私見も含みます)
- 無駄なことをしたくない
- なるべく労力をかけたくない
- 地道でめんどくさそうなことが嫌い
- 口癖は『それって必要ありますか?』
こんな人です。
実際、ここまで行かなくても近い症状を持っている人は結構います。
効率を考えることをはとてもいいことなのですが、かたよってはいけません。
なぜなら、自分自身の成長を妨げるし、周囲をイラつかせて味方がいなくなります。
実例:『それって僕がやる必要ありますか?』と本気で言われた話
これは僕が社内会議をしていた時の実際の話です。
登場人物はわかりやすくするために下記の3人とします。
プロジェクトリーダーで会議の主催者です。
入社2年目でプロジェクトの実働を担当します。
入社1年でプロジェクトの補佐をします。何事も効率を重視します。
会議では、プロジェクトの全体的な内容の共有やゴール設定を一通り行いました。
そして、最後に各人が行う業務と期限設定をしていた時に、現場が固まる状態が生まれました。
じゃあMさんは競合のリストを作成してください。やり方はCさんに聞きながら進めてください。Cさんも大丈夫ですね?
了解です。リストの作成のイメージとしては前回のS社のプロジェクトの時に作成したものでよろしいでしょうか?
バッチリです!よろしくお願いします。
Mさんは、随時Cさんに聞きながら、それでも判断ができないとか、困ったことがあれば僕に聞いてください。
それって僕がやる必要ありますか?Cさんがやり方知ってるなら最初から最後までCさんがやればよくないですか?
僕がやるのって効率悪くないですか?
(お、まじか。こんなこと言われたの初めて過ぎて・・・。どうしたらいいんだ・・・・。キレそう。)
Cさん
(これやばくないか?ワキログさんキレるんじゃないか?キレた姿見たことないからちょっと見てみたいきはするけど・・・。気まずい。)
この時、僕はまだまだ未熟でした。
普通にイラつきました。
キレたり声を荒げたりはしませんでしたが・・・・。
そんなこと言ったら、全部Mさんにお願いせずに俺とCさんでやった方が早いに決まってる。
人に教えながら作業するのは、自分でやる時間の倍かかるからな。
だけど、Mさんができる仕事を増やせるようにCさんに時間を作ってもらうんだよ。
じゃあ逆にMさんは何ができんの?それやってよ。
いや、それはわかんないっすけどね。
カッチーン
これ、キレてもいいですか!?さすがに、キレてもよくないですか!?
とはいえ、本人は悪気なく本気で言ってきているので、こういう人なんだなということをここで理解しました。
先が思いやられました。
若手側の問題点と改善策
まず、このMさん(若手)の発言とスタンスについて、1番やばいのが
代替案なしの否定をしている
というところです。
それ以外にも、そもそも論でいろんな問題はあるのですが、一番まずいのが代替案なしの否定です。
これは若手でもベテランでもやってはいけないことです。
今回の場合、Mさんはリスト作成をしない代わりに自分が得意で、かつ、プロジェクトに必要な業務を行うという代替案があればまだよかったのです。
しかし、何の代替案もなしに、しかも自分にできることは何もない状態で、与えられた仕事の否定をしてしまっては本当に何もできるようになりません。
これは、自分の成長の大きな妨げになります。
自分が非効率だと思うことをやりつつ、代替案がないのであれば、実際にその業務を行う中で効率化できる部分を探せばいいのです。
リストの作成は、もしかしたら外注できるかもしれない。
秘匿性が高くて外注はできない場合でも、今後のためにリスト作成の方法をマニュアルにしておけるかもしれない。
そしたら、来年入ってくる新人に自分は教えなくてもいいし効率化できる。
そんな発想で仕事をする必要があります。
先輩側の問題点と対応策
先輩側というのは、僕のことです。
僕の場合、イラっとして『じゃあ君には何ができるんだ?』という発言をしてしまいました。
しかし、新人は何もできなくて当然です。
だから、教えてあげないといけないのです。
やり方はもちろん、やる理由とやった結果についても教える必要があります。
Mさんにとって、なぜ競合のリストを作成する必要があるのか?
例えば、競合のリストを作成することによって、自分自信が競合に詳しくなることができます。
しかも、今後自分のクライアントのために競合の情報が必要になった時に活かせる、自分自身で即座に調べる能力が身につきます。
さらに、一度調べる能力がつくと、その領域以外のあらゆることを検索する能力が身につきます。
だからこそ、わざわざ時間をかけてCさんにはMさんにやり方を教えてあげるように頼んでいるのです。
これは、しっかりと伝えなければ理解してもらえません。
しっかりと伝えないと理解してもらえないということを理解しておく必要があります。
まとめ:双方に歩み寄りながら健全に効率化をすすめる
上記は実際に経験した話なので、もちろんMさんも実在する人物です。
Mさんは、それから4年で大きく成長し、今では立派に後輩を指導する立場になっています。
大切なのは、一方的にどちらが悪いということではなく、お互いに歩みよることです。
別の切り口でいうと、先輩も歩み寄らないといけないということです。
ひと昔前では、『若手はしのごの言わずいうことを聞け!』という思考が蔓延していましたが、今ではそれはブラックと呼ばれます。
少し企業体制が弱くなってる側面も見られますが、働きやすい世の中になることはいいことだと思います。
かといって、若手は若手で甘えていいというわけではありません。
効率化も大事ですが、手間をかけなければいけない場面もあります。
効率化ばかり求める【効率厨】は自分にとっても周りにとってもよくないので、ならないように気をつけましょう。
自分に自覚のある若手は、直しましょう。
自分の後輩が効率ばかり求めてしまうという悩みを抱えている先輩は、悩み続けずに、本人にしっかり説明して直してあげましょう。
ではまた。
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